狭い道路での機動性と、必要十分な積載能力。この2つを両立させたい配送・引越し・設備工事の現場で、1.5トントラックは「小回りの良さ」と「積載量」のバランスに優れた車両として選ばれています。
この記事では、車両サイズや荷台の寸法、普通免許で運転できる条件、1トン・2トントラックとの違い、人気車種の特徴と中古車選びのコツ、そして維持費の詳細まで、購入検討に必要な情報をまとめてご紹介します。読み終えた後には、自社の配送ルートや荷物の種類、駐車場の制約などを考慮して、1.5トントラックが本当に最適かどうかを判断できるようになるはずです。
1.5トントラックとは?基本スペックと運転免許の条件
1.5トントラックは、最大積載量が約1.5トンの小型トラックです。都市部での宅配、店舗間の商品配送、単身者や1DKサイズの引越し、小規模な工事現場への資材搬入など、狭い道路や頻繁に停車する業務に適しています。乗用車に近い運転感覚と、実用的な荷台サイズを兼ね備えているのが特徴です。
車両寸法・荷台サイズと主な用途
1.5トントラックの標準的なサイズは、全長約4,690mm、全幅約1,695mm、全高約1,970mmです。マンションの前や商店街、オフィス街の狭い道路でも、停車や切り返しがしやすいサイズに収まっています。
荷台の内寸は、平ボディの標準タイプで長さ3,120mm×幅1,620mm×あおり高さ380mmが一般的です。このサイズなら、パレットや長い資材なども効率よく積み込めます。いすゞエルフの仕様書でも同様のサイズが記載されていますが、床の高さやタイヤサイズなどは車両によって異なるため、購入前に必ず確認しましょう。
都市部での配送業務では、いすゞELFmioのような車両が活躍します。最小回転半径4.4mという小回りの良さで、狭い道路でも切り返しの回数を減らせます。また、1.9Lディーゼルエンジンは燃費性能に優れ、JC08モードで13.6km/Lを実現。頻繁に停車・発進を繰り返す都市部の配送でも、燃料費を抑えることができます。
【重要】普通免許で運転できる車両の条件
2017年3月12日以降に普通免許を取得した方は、車両総重量3.5トン未満かつ最大積載量2トン未満の車両しか運転できません。つまり、最大積載量が1.5トンでも、車両総重量が3.5トン以上の車両は普通免許では運転できないのです。購入前に必ず車検証で確認しましょう。
なお、免許取得時期によって運転できる車両が異なります。2007年6月1日以前に取得した方は「8トン限定中型免許」、2007年6月2日から2017年3月11日に取得した方は「5トン限定準中型免許」として扱われ、より大きな車両も運転可能です。確実に1.5トントラックを運転したい場合は、準中型免許の取得を検討するのも良いでしょう。
1トン・2トントラックとの違いを比較!最適な選び方
1トン、1.5トン、2トントラックは、それぞれ小回りの良さ、燃費、荷台の広さに違いがあります。1トンは最も小回りが利きますが積載量に限りがあり、2トンは積載量に余裕がある反面、取り回しや燃費、駐車の難しさが増します。1.5トンはその中間で、都市部での業務に最適なバランスを持っています。
積載量・サイズ・取り回しの違い一覧
具体的な数値で比較すると、1.5トントラック(いすゞELFmio)の最小回転半径は4.4mで、車庫入れや狭い道でのUターンがスムーズです。2トントラック(三菱ふそうキャンター標準ボディ)では5.1mとなり、同じ場所でも切り返しの回数が増える可能性があります。
1トントラックの一部車種では4.9mという例もありますが、荷台の長さや幅を考えると、多くの業務で1.5トンの方が使い勝手が良いケースが多いです。燃費面でも、1.5トンの新型ディーゼルエンジンは優れた省燃費性能を持ち、都市部配送での燃料費削減に貢献します。
業務用途別に見るおすすめのトラック
都市部での宅配やルート配送では、停車と切り返しの回数が作業効率に直結します。最小回転半径4.4mクラスの1.5トントラックなら、同じドライバーが同じルートを走っても、時間短縮や疲労軽減につながります。箱型ボディや幌付きなら、荷物の保護も万全です。
単身者や1DKサイズの引越しでは、奥行き約3.1m、標準幅の荷台が家具や家電の積み込みに適しています。狭い道路でも停車位置の調整がしやすいのも利点です。
設備工事や保守作業では、長い資材や重い機材を運ぶことがあります。長距離移動や大量輸送が多い場合は2トンの積載量が有利ですが、狭い現場や高さ制限のある場所を頻繁に訪れる場合は、1.5トンの機動性が作業効率を高めます。
人気車種と賢い中古トラックの選び方
1.5トントラックの主要メーカーは、いすゞ「エルフ」、三菱ふそう「キャンター」、日野「デュトロ」の3社です。それぞれに特徴があるので、実際の業務内容や配送ルート、駐車場の制約などを考慮して選びましょう。どのメーカーも様々なボディタイプに対応でき、アフターサービスも充実しています。
主要3車種(エルフ・キャンター・デュトロ)の特徴比較
いすゞエルフ(ELFmioを含む)は、最小回転半径4.4mと優れた燃費性能(JC08モード13.6km/L)が特徴です。1.9Lディーゼルエンジン(88kW・320Nm)とオートマチックトランスミッションの組み合わせで、市街地での頻繁な停車・発進でも運転しやすく、ドライバーの疲労を軽減します。
三菱ふそうキャンターは、3.0Lディーゼルエンジンで環境性能とパワーを両立しています。最小回転半径は仕様により異なりますが、積載能力と耐久性を重視する現場で人気があります。出力の異なる複数の仕様から選べるのも魅力です。
日野デュトロは、4ナンバーフルサイズの荷台と充実した安全装備が特徴です。乗り心地と実用性のバランスが良く、シングルキャブやダブルキャブなど、用途に応じた選択肢も豊富です。
失敗しない中古車選びのチェックポイント
中古トラックを選ぶ際は、まず運転免許の条件に合うかを確認します。車検証で車両総重量と最大積載量をチェックし、2017年3月12日以降に普通免許を取得した方は、車両総重量3.5トン未満、最大積載量2トン未満の範囲内かを必ず確認しましょう。
荷台は床板の腐食や割れ、鳥居やあおりの建て付け、蝶番やロープフックの状態を重点的にチェックします。車体フレームは錆や腐食、曲がり、溶接跡などを確認し、サスペンション取り付け部分の損傷も見逃さないようにしましょう。
エンジンは始動性や排気ガスの色(白煙・黒煙・青煙)、アイドリングの安定性、加速時の吹け上がり、変速時のショックや異音を確認します。電装品は灯火類、ワイパー、バックカメラ、ETCなどの動作確認と、後付け配線の処理状態もチェックしましょう。
価格相場は、複数の中古車サイトで同じ条件の車両を比較すると把握しやすくなります。1~1.5トンクラスでは、総額200万~260万円前後の車両が多く見られます。ただし、箱型ボディ、冷凍・冷蔵車、パワーゲート付き、走行距離の少ない車両などは高めの価格設定になる傾向があります。
購入前に知っておきたい1.5トントラックの維持費
トラックの維持費は、自賠責保険、自動車重量税、任意保険、車検費用、燃料費、消耗品費などで構成されます。特に自賠責保険と重量税は、車両の用途や重量、取得時期によって金額が変わるため、最新の料金表で確認することが大切です。月々の支出を把握するには、年間走行距離から燃料費を計算し、法定費用と整備費用を加えて、月割りで計算すると良いでしょう。
年間維持費の内訳(税金・保険・車検)
自賠責保険料は車両の区分によって異なります。2023年4月1日以降の営業用普通貨物車の場合、12か月契約で最大積載量2トン以下は17,790円、2トン超は24,100円となっています。小型貨物(4ナンバー)や自家用・営業用の違いでも金額が変わるため、車検証の用途区分を確認して適切な保険料を把握しましょう。
自動車重量税は、車両総重量、用途(自家用・事業用)、エコカー減税の適用有無、車齢(13年・18年超)によって変わります。1.5トントラックで多い車両総重量3.5トン前後の場合、該当する税額区分を確認する必要があります。見積もりを取る際は、車両総重量、用途、初度登録年を正確に伝えましょう。
任意保険は補償内容や等級、用途によって保険料が大きく変わります。参考として、自家用小型貨物車の平均保険料は年間約6.5万円という統計があります。事業用の場合は、対人・対物無制限を基本に、積荷保険や代車費用特約など、必要に応じて補償を追加し、複数の保険会社で見積もりを比較することをお勧めします。
燃料費とメンテナンス費用の目安
燃料費は「年間走行距離÷実燃費×軽油単価」で計算できます。例えば、いすゞELFmioのカタログ燃費はJC08モードで13.6km/Lですが、実際の運転では積載量や渋滞、地形などの影響で15~30%程度悪化することがあります。自社の配送ルートの特性を考慮して、現実的な燃料費を見積もりましょう。
定期的なメンテナンス項目には、エンジンオイルとフィルター、トランスミッションオイル、ブレーキフルード、タイヤ、バッテリー、ベルト類、ブレーキパッドなどがあります。荷物の積み下ろしが多い現場では、荷台の床板やあおりの金具が傷みやすくなります。また、後付けの電装品(バックカメラ、作業灯、ETC)の配線が適切に処理されていない車両は、トラブルの原因になることがあります。
箱型ボディ、冷凍・冷蔵車、パワーゲート付きなどの特殊装備がある場合は、それぞれのメンテナンス費用も考慮が必要です。稼働時間や点検記録を確認し、次回の部品交換時期を把握しておくと、予期せぬ出費を避けることができます。
1.5トントラックを選ぶ際の重要なポイントは3つあります。まず、お持ちの運転免許で運転できる車両かどうかを確認すること。次に、実際の業務内容や配送ルートに適した荷台サイズや装備を選ぶこと。そして、燃料費や保険料などの維持費を現実的に見積もることです。
購入を検討する際は、車検証で車両総重量と最大積載量を確認し、カタログで詳細な仕様をチェックしましょう。中古車の場合は整備記録も重要です。実際の配送ルートでの停車回数や道路状況、積む荷物の種類などを考慮して比較検討することで、1.5トントラックの小回りの良さと使い勝手の良い荷台サイズが、業務の効率化やコスト削減にどれだけ貢献するかが明確になります。



