近年、人工知能の発展により日常生活でも人工知能が利用されるようになりました。では、実際にどのような形で人工知能は日常に溶け込んでいるのでしょうか。ここでは人工知能と日常生活との関わりについてご紹介していますので、ぜひご確認ください。
日常生活での人工知能の利用シーン
まずは、日々の生活で人工知能がどのように利用されているのかについてご紹介します。人工知能の応用先は非常に幅広いですが、とくに自動運転技術とスマートホームシティは普及・発展が予想されるものです。ここで、具体的にどのように利用されているのかを確認していきましょう。
自動運転技術による革新
近年、自動車メーカーの多くが自動運転に力を入れています。また、日本においては道路交通法を改正し、従来の運転と特定自動運行を区別するなど法整備も進んでいます。実際に完全自動運転は2027年には実証実験が政府によって計画されており、自動運転の実現は目の前まで迫っているものです。
そして、人工知能は周囲環境を取得し、適切な運転をおこなうために利用されています。通行人、対向車、信号、標識など非常に多くの外環境がありますが、近年のAI技術はそれらをまとめて取得し、最適な運転を実現するようになってきました。
さらに、従来の人間の運転にくわえ、人間が見落としそうな箇所の認識、人間と異なり疲労や感情による不注意がないことから人間よりも安全な運転が可能になると言われています。
スマートホームシステムの利用
スマートホームはIoTや人工知能の技術を活用し、生活をより快適にする家のことを指します。スマートホームではあらゆる生活家電と住宅設備がインターネットに接続され、従来の家にはなかった価値をくわえるのです。
スマートホームは家電の操作がシンプルになる、時間のゆとり、電気代の節約など多くのメリットが出てきます。現在はセキュリティ面での不安や設置費用から導入していない家も多いですが、今後の技術発達で解決することにより普及が進む可能性が非常に高いです。
また、デメリットの1つであった異なる企業の製品が連携しにくいといったものはアプリケーションの提供で解決されつつあります。例の1つであるeLifeは企業の垣根を超えてさまざまな機器と連携でき、各過程のスマートホーム化を推し進めています。このようにスマートホームシステムは機器などのハードウェア側とスマートフォンアプリなどのアプリケーション側の双方で発達している技術です。
AIを活用した家事の効率化
AIは家事にも活用することができます。実際の製品には家事を効率化するものが多いです。家事は生活には必須なものですが、どうしても時間がかかってしまいます。そこで、AI活用により時間を短縮し、本来おこないたい活動に時間を割くことができるのです。
では、実際にどのような導入例があるのか確かめていきましょう。
AI搭載家電で生活がラクに
家電はAI搭載が急激に進められている製品群の1つです。家事には家電を利用することが多いですが、それらにAIを導入することで今までは人の手でおこなっていた作業を自動化することができます。
たとえば、有名な事例にルンバがあります。ルンバが登場するまでは掃除機やホウキでおこなっていた掃除を自動化できるようになりました。そして、ルンバはAIを搭載することで障害物を避ける、同じところを掃除しないと人間がおこなっていたことをできるようになっています。
また、献立の考案などもおこなう家電が登場しました。シャープの冷蔵庫は冷蔵庫の中にある材料を用いた献立を提案し、家事を簡略化する機能が搭載されています。このように、家電にAIを搭載することで「考える」を家電がおこなえるようになっているのです。
遠隔操作が可能なスマートリモコン
スマートリモコンとはスマートフォンと連携して、家電を操作できる機器を指します。家中の家電をスマートリモコンと連携させれば、スマートフォン1つですべての操作をおこなうことが可能です。
また、スマートフォンから操作ができるため、家の外から家電を操作することもできます。たとえば、夏であれば家に帰る前に冷房を付けておく、施錠されているか、消灯されているかなどを確認することが可能です。
現在は対応している家電に限界がありますが、今後は家電側もスマートリモコンに対応しているものが多くなることが予想されます。日々過ごしている中で、何がスマートリモコンで操作できると便利であるか意識してみましょう。
健康管理のAI活用
健康は過ごしていく中で非常に大切なものです。しかし、目に直接見えないことから判断することが難しくなっています。技術が発展する前は個人の主観による判断も少なくありませんでした。そこで、現在では健康管理にAIを導入し、数値として健康管理することが広まってきています。では、具体的にどのようにAIが健康管理をしているのかを確認していきましょう。
スマートウォッチで健康状態チェック
スマートウォッチとは腕時計型のデバイスです。従来の腕時計に通信技術を付けることで多数の機能がおこなえるようになりました。そして、現在はスマートウォッチとAIを組み合わせることで健康管理をおこなうこともできます。
腕に付けていることから下記のようなものを測定することができ、健康管理に利用することが可能です。
・心拍数
・血圧
・体温
・睡眠深度
・消費カロリー
また、これら数値を見ても専門家でないと健康であるのか判断が難しい場合があります。そこで、AIを導入することで人それぞれにおいて健康であるのかどうかを判断し、適切な行動を促すことができるようになっているのです。精度に不安が残る方も少なくありませんが、AI技術の発展により日々精度が上がっています。
医療データ解析による早期発見・予防
診断は過去の事例と比べて判断することが多いです。しかし、人間には頭に入れて置ける情報と過去の情報を見る時間に制限があります。そこで、AIによって素早く大量に過去の情報と比べることで病気の早期発見・予防が簡易的におこなえるようになるのです。
すでに実用化されている分野には大腸内視鏡検査や胃カメラなどが挙げられます。これらは患者数・検査数が多いことから大量のデータを与えることができたため、比較的早い段階で製品化されました。
データ量の観点や技術から導入されていない分野もまだまだありますが、今後は少ないデータ量で判断できるAIの登場、もしくは年月経過によるデータの蓄積などで実用化されるでしょう。
教育の現場で活躍するAI
教育は人の学習に関する部分であるため、非常に複雑で人間にしかおこなえないとされていました。しかし、近年ではAI技術の発達により人よりも効果的に教えることができるとされています。
では、実際にAIは教育にどのように関わってきているのでしょうか。ここで具体的な活用例を確認し、人の手による教育と何が違うのかを確認しておきましょう。
質疑応答型AIとの学習体験
質疑応答型AIとは何らかの入力をしたとき、それに即した返答をするAIを指す言葉です。このごろ話題になっている質疑応答型AIにはChatGPTがあります。そして、この技術は教育現場でも利用されているのです。
教育現場で質疑応答型AIを導入するメリットには下記のようなものがあります。
・子どもの学習レベルに合わせたアドバイス提供
・リアルタイムでのアドバイス
・データに基づいた指導
・成績の分析
もちろん、これらは人間でもおこなうことは可能です。しかし、生徒一人一人にこれらの時間をかけられない現状があります。質疑応答型AIはこれらを自動的におこなうため、教師の負担を軽減することが可能です。また、学習を繰り返すほど高精度な指示を出すように進化もします。
オンライン学習プラットフォームの進化
教育は現場でしかおこなえないと考えられていましたが、インターネットの登場によりオンラインで学習がおこなえるようになりました。しかし、オンライン学習は一律に教材などを提供していたため、個人個人での学習に難があるとされることが多かったです。
しかし、オンラインプラットフォームにAIを導入することでそれぞれの利用者に適した教育をおこなえるようになり、それらデメリットを取り除くことができています。
たとえば、Qubenaでは生徒の学習レベルに応じて最適な問題を出題してくれます。そして、単に間違えた問題の類似問題を出すのではなく、間違ってしまう原因を解析することがAI導入によってあらわれている特徴です。このようにAIは単に問題を与えるだけでなく、解くための道筋まで考えるようになってきています。