重機と建機は何が違う?種類、役割、免許まで解説

リード 建設現場などで見かけることも多い重機と建機ですが、ひとまとめにされることも多い言葉です。

実際に、重機と建機はどう違うのか、それぞれ何ができるのかと問われても明確に説明できる方は少ないのではないでしょうか。

本記事では、重機と建機の違いやそれぞれの役割、具体的な機種、必要な免許や資格、レンタル・購入方法について解説します。

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重機と建機の違いを徹底解説!

重機と建機の違いは、一見わかりにくいものです。両者は建設現場で使用される機械類を指す言葉ですが、その定義や使い分けには若干の違いがあります。

重機とは、土木や建設工事で使用される大型動力機械の総称です。一般的には、人が乗り込んで操作するものを重機と呼ぶ傾向があります。主に自走式で、大規模な土木作業や建設作業に用いられます。

一方、建機とは、建設現場で使用される機械全般を指す言葉です。建機のなかの一要素として重機があるといった関係性をイメージするとわかりやすいでしょう。建機には自走しないものも含まれ、より広範囲の機械を指します。

ただし、両者の違いについて明確な定義はなく、ほぼ同義ととらえられているケースも少なくありません。現在では、重機・建機とは別に「建設ロボット」という定義も登場してきており、現場だけではなく取り上げるメディアによっても使い分けはさまざまです。

重機と建機の役割の違いは?

重機と建機の役割は、その特性によってある程度分けることができます。重機は主に大規模な土木工事や建設工事で活躍します。例えば、土砂の掘削や運搬、建物の解体など、主に屋外での大型作業に用いられます。力強さと機動性が求められる場面で重要な役割を果たします。

一方、建機はより広範囲の建設作業をカバーします。コンクリートミキサーや高所作業車など、屋内外を問わず様々な建設作業で使用されます。重機ほどの大規模な力は必要としないものの、専門的な作業や精密な作業を行うのに適しています。

このように、重機と建機は建設現場という同じフィールドで活躍しますが、その特性や用途によって役割が異なります。しかし、両者の境界線は明確ではなく、状況や文脈によって使い分けられることが多いのが現状です。

重機と建機の種類と用途を紹介!

重機・建機にはさまざまな種類のものがあります。ここでは、代表的な重機と建機の種類と用途について詳しく見ていきましょう。

代表的な重機の種類と用途

代表的な重機としては「ブルドーザー」「油圧ショベル」「クレーン」の3種類が挙げられます。

<ブルドーザー>
ブルドーザーは、土砂の掘削や地ならしなどを行う自走式機械です。車体前面についているブレードと呼ばれる排土版で土砂をかきおこして、盛土や整地作業などに使用されます。主にクローラー(キャタピラー)で走行し、不整地での作業に適しています。

ブルドーザーの主な用途には、造成工事での地ならし、道路建設での路盤作り、採石場での岩石の押し出しなどがあります。その強力な推進力と安定性により、大規模な土木工事には欠かせない存在となっています。

<油圧ショベル>
油圧ショベルは、その名のとおり油圧によって動作し、土砂を掘削する仕組みを持つ自走式機械です。ブームやアームなどを操作しながら、バケットと呼ばれるショベルで掘る、すくうという作業を行います。

バケットはアタッチメント式になっており、必要に応じて交換すればさまざまな場面に対応可能です。例えば、通常のバケットの代わりに破砕機を取り付ければ、コンクリートの解体作業も行えます。また、フォーク状のアタッチメントを使用すれば、パレットの荷役作業も可能になります。

油圧ショベルは、クローラーで走行するタイプと、ホイール(車輪)で走行するタイプがあります。クローラータイプは不整地での作業に適しており、ホイールタイプは舗装された道路での移動が容易です。

<クレーン>
クレーンは、ものを吊り上げる際に使用する機械です。移動式クレーン、ラフテレーンクレーン、オールテレーンクレーンなど用途によってさまざまな種類があります。

ラフテレーンクレーンはホイールクレーンの一種で、不整地の走行で使用されます。基礎工事での使用が多く、一般道路も走行可能です。建設現場での資材の運搬や設置に適しており、中規模の建築工事で重宝されます。

オールテレーンクレーンは、不整地でも速いスピードで走行できるのが特徴です。大型のクレーンで、高層建築物の建設や大型構造物の組立てなどに使用されます。その機動性と高い吊り上げ能力により、様々な現場で活躍します。

これらの重機は、それぞれの特性を活かして建設現場で重要な役割を果たしています。適切な重機を選択し、効率的に使用することで、建設作業の生産性と安全性を大きく向上させることができます。

代表的な建機の種類と用途

代表的な建機としては「アスファルトフィニッシャー」「タンデムローラー」「コンクリートミキサー」など道路舗装で活躍する機械が挙げられます。

<アスファルトフィニッシャー>
アスファルトフィニッシャーは、スクリードと呼ばれる装置でアスファルトをならして道路を舗装するために用いられます。メーカーにもよりますが、アスファルトの合材を積載するホッパーの後部に運転席があり、その後ろにスクリードがついているものが一般的です。

主に、車両を運転する人と、スクリードを操作する人の2名で乗り込んで作業を行います。アスファルトフィニッシャーもクローラータイプとホイールタイプがあり、作業現場の状況に応じて選択されます。

アスファルトフィニッシャーは、道路建設や補修工事において重要な役割を果たします。均一な厚さでアスファルトを敷き詰めることができるため、平滑で耐久性の高い路面を作ることが可能です。また、作業効率が高いため、大規模な舗装工事でも短時間で作業を完了させることができます。

<タンデムローラー>
タンデムローラーも同じように道路舗装で活躍する大型のローラー車です。道路・アスファルト舗装でアスファルト混合物を固める役割を担います。機械式・油圧式の動力で作動し、タイヤで地面に圧力をかけながらアスファルト混合物を固めていく仕組みです。

一般的には、アスファルトフィニッシャーで敷均しをならしたあとに、タンデムローラーでアスファルト混合物を固めていきます。この工程により、舗装面の密度を高め、耐久性を向上させることができます。

タンデムローラーには、振動機能を持つものもあります。振動を加えながら転圧することで、より効果的に舗装材を締め固めることができます。これにより、道路の寿命を延ばし、長期的なメンテナンスコストを削減することが可能になります。

<コンクリートミキサー>
コンクリートミキサーは、生コンクリートを現場に運搬する貨物車両です。荷台の部分が生コンクリートを入れるためのミキシングドラムになっています。輸送中も常にドラムを回転させて、生コンクリートが分離しないようにしているのが特徴です。

現場や搬入経路、コンクリートの量などに応じてさまざまなサイズがあります。小規模な工事現場用の小型車両から、大規模建設プロジェクト用の大型車両まで、幅広いバリエーションが存在します。

コンクリートミキサーは、建設現場にフレッシュな状態のコンクリートを供給する重要な役割を果たします。工場で製造された生コンクリートを、品質を保ったまま現場まで運搬することで、高品質な建築物や構造物の建設を可能にしています。

これらの建機は、道路建設や建築工事において欠かせない存在です。それぞれの特性を理解し、適切に使用することで、効率的かつ高品質な建設作業を実現することができます。

重機と建機の操作に必要な免許と資格

重機・建機の操作には、特定の免許や資格が必要です。これらは作業の安全性を確保し、効率的な操作を行うために欠かせません。ここでは、代表的な免許・資格についてみていきましょう。

重機と建機を操作するために必要な免許の種類

小型移動式クレーン運転技能講習

吊り上げ荷重5t未満の小型移動式クレーンを操作するために必要な資格です。建設現場や工場での資材の移動や設置作業で活用されます。玉掛け技能講習終了者やクレーン・デリック運転士免許など別の資格を持っていれば、一部の講習が免除されます。

フォークリフト運転技能講習

最大荷重1t以上のフォークリフトを操作するために必要な資格です。建設現場や倉庫作業などフォークリフトが活躍する現場で役立ちます。資材の運搬や積み込み作業に欠かせません。大型特殊免許や四輪の運転免許所持者は免除対象です。

不整地運搬車運転技能講習

最大積載量1t以上の不整地運搬車を操作するために必要な資格です。悪路での荷物運搬業務で活躍する不整地運搬車を運転する際に必要です。建設現場や林業現場などでの資材運搬に使用されます。四輪の運転免許を持っていて一定の条件をクリアしていれば講習が大幅に免除されます。

車両系建設機械(整地、運搬、積込み用及び掘削用)運転技能講習

機体質量が3t以上の車両系建設機械を操作するために必要な資格です。ブルドーザー、油圧ショベル、ホイールローダーなどの操作に必要です。土木工事や建設現場での地盤整備、掘削作業などで活用されます。

車両系建設機械(解体用)運転技能講習

建物などの解体に使用する機体質量3t以上の重機を操作するのに必要な資格です。解体用の重機は、ブレーカー、鉄骨切断機、コンクリート圧砕機などが挙げられます。建物や構造物の解体作業において重要な役割を果たします。

車両系建設機械(基礎工事用)運転技能講習

基礎工事に使用される機体質量3t以上の重機を操作するのに必要な資格です。くい打機、くい抜機、アースドリル、バイブロハンマーなどの操作に必要です。建築物や構造物の基礎工事において不可欠な資格です。
これらの資格は、それぞれ特定の重機や建機の操作に特化しています。建設業界で幅広く活躍するためには、複数の資格を取得することが推奨されます。

免許の取得方法と費用

各免許・資格を取得するための講習時間、日数、および概算の費用は以下の通りです。

小型移動式クレーン運転技能講習 講習時間:16〜20時間 日数:3日 料金:4万〜5万円
フォークリフト運転技能講習 講習時間:11〜35時間 日数:2日〜5日 料金:2万〜5.5万円
不整地運搬車運転技能講習 講習時間:11〜35時間 日数:2日〜5日 料金:4万円〜11万円
車両系建設機械(整地、運搬、積込み用及び掘削用)運転技能講習 講習時間:6〜38時間 日数:1日〜5日 料金:3万円〜11万円
車両系建設機械(解体用)運転技能講習 講習時間:3〜38時間 日数:1日〜5日 料金:2万〜11万円
車両系建設機械(基礎工事用)運転技能講習 講習時間:9〜39時間 日数:2日〜7日 料金:5万円〜13万円

免許・資格取得にかかる期間や費用は、受講者の経験や他の保有資格によって大きく変わります。例えば、既に関連する資格を持っている場合や、一定の実務経験がある場合には、講習時間が短縮されたり、一部の講習が免除されたりすることがあります。

また、これらの講習は全国各地の技能講習機関で受講できます。受講を希望する場合は、最寄りの講習機関に問い合わせ、具体的な日程や費用、必要な書類などを確認することをおすすめします。

重機や建機の操作には高度な技術と責任が伴うため、これらの資格取得は単に法令遵守のためだけでなく、作業の安全性と効率性を高めるためにも重要です。さらに、複数の資格を取得することで、より幅広い現場で活躍できる可能性が広がります。

重機と建機のレンタル・購入方法

建設プロジェクトや工事の規模、期間、頻度によって、重機や建機をレンタルするか購入するかを選択することになります。ここでは、それぞれの方法と特徴、選ぶ際の注意点について解説します。

レンタル方法と特徴

重機や建機をレンタルすることは、特に短期のプロジェクトや使用頻度が低い場合に適しています。
レンタルの主な特徴は以下の通りです。

初期投資が少ない:高価な機械を購入する必要がないため、初期コストを抑えられます。
メンテナンス費用の削減:レンタル会社が定期的なメンテナンスを行うため、使用者側の負担が軽減されます。
最新機種の利用:常に最新の機種を使用できるため、技術革新の恩恵を受けやすくなります。
保管場所の心配不要:使用しない期間の保管場所を確保する必要がありません。

レンタルの手順は通常以下のようになります。
・必要な重機・建機の種類、サイズ、使用期間を決定する。
・複数のレンタル会社に見積もりを依頼する。
・見積もり内容を比較し、最適な会社を選択する。
・必要書類(運転資格証明書など)を準備し、契約を締結する。
・機械の受け取り時に、操作方法や注意点の説明を受ける。
・使用後、清掃して返却する。

レンタル料金は機種や期間によって大きく異なりますが、例えば小型油圧ショベル(0.1立方メートル級)の場合、1日あたり2万円から3万円程度が目安となります。ただし、長期レンタルの場合は割引が適用されることも多いです。

購入方法と特徴

重機や建機を購入することは、長期的かつ頻繁に使用する場合に適しています。購入の主な特徴は以下の通りです。

長期的なコスト削減:頻繁に使用する場合、レンタルよりも経済的になる可能性があります。
カスタマイズの自由:自社の需要に合わせて機械をカスタマイズできます。
即時利用可能:必要な時にすぐに使用できます。
資産価値:適切に管理すれば、中古市場での売却も可能です。

購入の手順は通常以下のようになります。

・必要な重機・建機の種類、サイズ、性能を決定する。
・複数のディーラーや製造元に見積もりを依頼する。
・見積もり内容を比較し、最適な機種と販売元を選択する。
・資金調達方法(現金購入、ローン、リースなど)を決定する。
・契約を締結し、支払いを行う。
・納品時に、操作方法や保守管理の説明を受ける。

購入価格は機種によって大きく異なりますが、例えば小型油圧ショベル(0.1立方メートル級)の場合、新車で500万円から1000万円程度が目安となります。中古であれば、その半額程度から購入できる場合もあります。

選択する際の注意点

レンタルと購入のどちらを選択するかは、以下の点を考慮して決定することをおすすめします。

使用頻度と期間:頻繁に長期間使用する場合は購入、散発的に短期間使用する場合はレンタルが有利です。
資金力:初期投資の余裕がある場合は購入を検討できますが、資金に制限がある場合はレンタルが適しています。
保管とメンテナンス能力:適切な保管場所と定期的なメンテナンスが可能な場合は購入を検討できます。
技術の進歩:急速に技術が進歩する分野では、レンタルで最新機種を利用する方が有利な場合があります。
法規制:一部の重機・建機は、所有に関して特別な許可や登録が必要な場合があります。購入を検討する際は、関連する法規制を確認することが重要です。

重機や建機の選択は、事業の成功に直結する重要な決定です。レンタルと購入のメリット・デメリットを十分に検討し、自社の状況に最適な選択をすることが大切です。また、信頼できるレンタル会社や販売店を選ぶことも、安全で効率的な作業を行う上で非常に重要です。

以上、重機と建機の違い、種類、役割、必要な免許や資格、そしてレンタル・購入方法について詳しく解説しました。建設業界で活躍するためには、これらの知識を総合的に理解し、適切に活用することが求められます。安全で効率的な作業を心がけ、建設現場の生産性向上に貢献していきましょう。

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この記事を書いた人

環境課題とAIなどの先端技術に深い関心を寄せ、その視点から情報を発信する編集局です。持続可能な未来を構築するための解決策と、AIなどのテクノロジーがその未来にどのように貢献できるかについてこのメディアで発信していきます。これらのテーマは、複雑な問題に対する多角的な視点を提供し、現代社会の様々な課題に対する理解を深めることを可能にしています。皆様にとって、私の発信する情報が有益で新たな視点を提供するものとなれば幸いです。

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