この記事を読まれている方の中には、以下のような悩みを抱えている方が多いのではないでしょうか。
– エレメント（オイルフィルター）の交換頻度や方法、費用について知りたい
– エレメント（オイルフィルター）の交換の重要性について理解を深めたい
– 特に自動車保持者が自身で管理する際の指針を得たい
この記事では、上記の悩みを解決するための情報を提供します。ぜひ最後までお付き合いください。
エレメント交換とは？
エレメントの役割と交換が必要な理由
エレメントの主な役割は、エンジンオイルの汚れをろ過することです。エンジンオイルは、エンジン内部の熱や摩擦といった過酷な状況下で機能しているため、使用頻度が高くなるほど酸化し、スラッジと呼ばれる不純物や空気中のゴミなどによって汚れが生じます。
エレメントは、これらの不純物を除去し、エンジンオイルを清浄な状態で循環させる役割を担っています。これにより、エンジンオイルの性能を保ち、エンジンの長寿命化に貢献しています。
オイルフィルターを長期間交換せずに使用し続けると、エンジン内部から生じた汚れがフィルターに蓄積し、目詰まりが発生します。その結果、ろ過機能が低下し、汚れたオイルがエンジン内部を循環することになります。
汚れたオイルがエンジンを循環すると、部品の異常摩耗や故障、燃費の悪化などを引き起こす可能性が高くなります。
エレメントがエンジンに与える影響
エンジンオイルは、エンジンの摩耗や焼き付きを防止する役割を持っていますが、使用に伴って汚れが蓄積します。この汚れをろ過せずに放置すると、エンジンの寿命が短くなる可能性が高くなります。
エレメントは、このような事態を防ぎ、エンジンを長期にわたって正常に動作させるために重要な役割を果たしています。走行距離が増えるにつれて、エレメントに汚れが蓄積されるため、定期的な交換が必要です。
エレメントの交換を怠ると、詰まりが発生し、エンジンオイルが通過できなくなります。その結果、汚れが除去されていないオイルがリリーフバルブを通ってエンジンを循環することになり、エンジンの故障リスクが高まります。
エレメントの交換頻度と最適なタイミング
乗用車とトラックのエレメント交換タイミング
乗用車の場合、エレメントの交換目安は、オイル交換2回に1回程度とされることが多いですが、2万km毎の交換で問題ありません。新品のエレメントは目が粗いフィルターを使用しており、鉄粉やカーボンなどをろ過し続けることで、適切な目の細かさになります。
適切なフィルターの目の細かさを達成するには、約1万kmの走行が必要とされています。そのため、2万kmまで運転し、オイル交換と同じタイミングでエレメント交換を行うのが推奨されます。トヨタ自動車のホームページでも、この2万km毎のエレメント交換が目安として掲載されています。
ただし、走行距離はあくまでも目安であり、運転時のフィーリングの変化などを参考に、必要に応じて交換することも大切です。
中型・大型トラックのエレメント交換距離の目安は、中型トラックで2万km、大型トラックで2万5千kmです。ただし、これらの目安はメーカーや車種によって異なるため、参考程度に考えてください。
交換時期を左右する要因
一般的な交換時期の目安は走行距離に基づいていますが、以下のような条件下で自動車やトラックを使用する場合、エレメント交換時期が早まる可能性があります。
– 坂道の多い地域で走行する
– アイドリングが多い
– 短距離走行が多い
– 寒冷地で走行する
通常、エンジンオイルの交換目安は、走行距離5,000kmまたは6ヶ月毎です。しかし、特に坂道の多い地域で運転する場合は、より短い周期での交換が推奨されます。
シビアコンディション下では、通常の半分程度の距離または期間でオイル交換を行うのが良いでしょう。具体的には、ターボ付きガソリン車で約2,500kmまたは3ヶ月毎、ディーゼル車で2,500km～10,000kmまたは3ヶ月～半年毎のオイル交換が推奨されます。
商業車では、車検のタイミングでエレメント交換を行うことも多いです。エレメント交換を怠ると、エンジンに水が入り、ノッキングが発生してエンジンが故障する可能性もあります。センサーから警告が表示された場合は、速やかに交換してください。
自分でできるエレメント交換
エレメント交換の手順
エレメントとエンジンオイルの交換手順は以下の通りです。
【エンジンオイルを抜く方法】
1. ジャッキアップ（必須ではないが、作業がしやすくなる）
2. トラックキャビンを前に倒し、ロックする
3. 車体下部に入り、オイルパンカバーを外す
4. オイルパン下に廃油入れを設置
5. ドレンボルトを徐々に回して外し、エンジンオイルを抜く（オイルが手にかからないよう注意）
6. オイルフィラキャップを取り外し、オイルを抜きやすくする
7. オイルが抜け終わったら、ドレンボルトのワッシャーを新品に交換し、ボルトを締める
【エレメントを交換する方法】
1. フィルターを取り外す
2. フィルター内のエレメントとOリングを外す
3. カバーの内外をウエスで拭き上げる
4. 新品のOリングを溝に装着
5. 新しいエレメントに交換し、取り付ける
【エンジンオイルを入れる方法】
1. 抜いたオイルと同量の新品オイルを用意
2. オイルを注入
3. オイルフィラキャップを締める
車種によっては、オイルフィルターが2つある場合もあります。
交換時のよくあるトラブルとその対処法
交換時のよくあるトラブルの一つに、エンジンオイルの入れすぎがあります。オイルを注入する際は、8分目程度を目安にしましょう。
オイル量が不足している場合は追加で注入すれば問題ありませんが、規定量を超えて入れすぎると、エンジンに負担がかかり、燃費が悪化する可能性があります。
また、屋外で交換する際は、強風に注意してください。オイル交換時に強風が吹くと、ボルトを外した際にオイルが飛散し、路面や衣服、顔などが汚れる可能性があります。
交換にかかる費用と節約テクニック
エレメント交換の平均的なコスト
整備工場やカー用品店、ディーラーなどにエレメント交換を依頼する場合、交換工賃込みで約5,000～8,000円が相場です。ただし、フィルターの種類や交換工賃、車の排気量などによって費用は変動します。
軽自動車・普通車の場合、フィルター代が1,100～1,650円、作業工賃が550～1,100円かかります。一方、トラックの場合、エレメントの費用は車両の大きさによって異なり、2t車で5,000円、4t車で5,000～8,000円、10t車で7,000～8,000円程度です。
コストを抑えるためのポイント
プロに依頼すると、1,000～3,000円程度の費用がかかることが多いため、コストを抑えるには自分で交換するのが最も効果的です。
ただし、自分で交換する場合、正しく交換できているか不安になったり、作業中に汚れるのが嫌だと感じる人もいるでしょう。作業負担とコストを比較して、自分で行うかプロに依頼するかを判断するようにしましょう。
