トラックのクーラント液の種類・管理・トラブル対処法を全て教えます

この記事を読まれている方の中には「クーラント液の基本的な概要や重要性、種類について知りたい」、「クーラント液の確認と補充の方法、交換時期や交換方法について知りたい」、「クーラント液が漏れた時の対処法について知りたい」と思われている方も多いのではないでしょうか?

記事を最後まで読んでいただければ、上記悩みについて解決できるかと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。

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クーラント液の基本知識

クーラント液の基本知識について知りたいと思われている方は、クーラント液の基本的な機能や種類などについて理解しておく必要があります。

クーラント液とは何か?

クーラント液とは、エンジンを冷やすために使われる液体のことです。エンジンが稼働している間は、車の内側で爆発が絶え間なく発生し、非常に高温になっています。

 

そのまま加熱し続けた場合、オーバーヒートとなり、エンジンが壊れてしまう可能性が高いです。エンジンが運転中に壊れてしまった場合、大きな事故に繋がる可能性もあります。そうした事態を招かないためにも、車にはクーラント液が循環されています。

エンジン内部からクーラント液が熱を吸収しながら内部を循環し、車前部にあるラジエーターで再び冷やされた後に、エンジンに再び戻って冷却する流れです。

 

クーラント液がエンジン内部とラジエーターを循環することにより、エンジンが熱くなり過ぎてしまうのを防いでいます。不凍液のクーラント液は、冬場も凍結しない特性を持っています。さらに、長期間使った場合でもエンジン内部に腐食や錆を発生させません。

そのため、水は使わず凍結しにくい特性を持つグリコール系の溶媒に、防錆剤といった添加剤を配合した液体が冷却水で使われています。

クーラント液の種類と選び方

正常にエンジンを稼働させるには、クーラント液は欠かせない存在ですが、寿命が違うことから大きく分けて2種類あります。

着色でもそれぞれに特徴があり、分かりやすい2種類のクーラント液について解説していきます。

 

【LLC】

Long Life Coolantの頭文字であり、約2年で変える緑色や赤色のクーラント液です。

数十年前に誕生し、これまでのクーラント液と比べ寿命が長いこともあり、ロングライフと呼ばれることもあります。LLCの寿命は車検の間隔とちょうど同じくらいのため、車検の際に交換されることが多いです。

 

【SLLC】

Super Long Life Coolantの頭文字であり、現在メインで使われている水色やピンク色のクーラント液です。前述したLLCよりもさらに寿命が長く、約7年であり、メーカー次第では約10年間交換する必要がないクーラント液があります。

クーラント液の点検と補充方法

ここまで解説してきたように、クーラント液は安全に車を運転する上で非常に重要なものです。そのため、点検時期や方法、補充手順についてしっかりと理解しておくことが大切です。

クーラント液の点検時期と方法

故障や漏れなどが発生していない場合でも、クーラント液は蒸発などにより自然に減っていってしまいます。そのため、日常点検としてクーラント液の量を確認するのがおすすめです。

 

クーラント液の規定量を日頃から知っておくことで、減ってきているのか判断する基準ができるため、漏れている可能性がある場合に素早く気付けます。クーラント液の量を確認するためには、エンジンルーム内のリザーバータンクを確認します。半透明でできた樹脂製タンクに目盛りがあり、「MAX / MIN」や「FULL / LOW」などの表示があるはずです。

クーラント液の液面がこの間にあれば問題ありません。しかし、万が一下限を下回っている場合や、下限に近かい場合はクーラント液を補充しましょう。

クーラント液の正しい補充手順

クーラント液の量を確認し、不足していた場合には補充する必要があります。

クーラント液を補充する際の手順は、以下の通りです。

 

【クーラント液の補充手順】

1.補充するクーラント液を準備する

2.補充するタンクにおける液面の位置を確認する

3.クーラント液が冷えているか確認する

4.「MAX-MIN」「FULL-LOW」の間になるようにクーラント液を補充する

 

エンジンが冷えている際に作業を行うのは、冷えている場合と温まっている場合で、目視確認の量が変わってしまうからです。また、タンクはタンクのみのものと、ラジエターキャップと一体になっているタイプが存在します。

一体型であれば、エンジンが温まっている際に、補充するためにラジエターキャップを外してしまうと、熱い状態の冷却水が噴き出してしまう可能性が高いため、十分に冷えるのを待ってから補充します。

タンクのみのであれば、タンクのキャップと間違えてラジエターキャップを開けてしまった際に、一体型と同じように噴き出したり、冷えている場合でもこぼれたりしまう可能性が高いため、注意して補充しましょう。

クーラント液の交換とトラブルシューティング

日々安全に運転するためには、クーラント液の交換時期と交換方法、クーラント液が漏れた時の対応策についても理解しておきましょう。

クーラント液の交換時期と交換方法

クーラント液の交換時期は、前述したクーラント液の種類によって違うため、2つの種類の交換時期を理解しておくことが大切です。LCCとSLLCの交換時期について解説します。

 

【LLC】

現在売られているほとんどの車が、緑色や赤色がメインのLLCを使っています。

「LLC」における交換時期は約2~3年が目安であり、車検と同時期のため、車検と一緒に交換すると良いでしょう。

車検の時にクーラント液の交換を業者に依頼すると、他の点検作業と同時に実施できるため、工賃などを割引してもらえる可能性があります。

 

【SLLC】

最新の車で使われることの多い「SLLC」はピンク色や青色がメインであり、「LLC」と比べ寿命は長いです。

「SLLC」の交換時期は約7年、もしくは走行距離16万kmが目安に設定され、「LLC」と比較し5年近く長めに設定されています。

そのため、冷却水の交換や補充を一度もせずに車の乗り換え時期が来ることも少なくありません。

また、「SLLC」の2回目以降におけるクーラント液の交換時期は4年、もしくは走行距離8万kmが目安となっています。

 

この2種類の「LLC」「SLLC」は、性能面は変わらず、異なる点は寿命のみです。

 

冷却水を交換する手順は、以下の通りです。

 

手順1:エンジンが熱くなく冷めているか確認する

補充する時と同じように、交換作業の前にエンジンがしっかりと冷めていて熱くないか必ず確認して下さい。

 

手順2:冷却水を出す

ジャッキなどを利用し車を持ち上げた後、ラジエーター下に入り冷却水を出します。

ラジエーター下のドレンコックを緩めることで、冷却水が出てくるため、すべて冷却水を抜いてからドレンコックを閉めます。

 

手順3:冷却水経路を洗浄する

すべての冷却水が抜けた後は、すぐに新しいものに変えずに冷却水経路を水道水で洗います。水道水でリザーバータンク全量の8割以上を満たしてから、エンジンを作動します。

約5分エンジンを動かし循環させた後、手順2と同様の流れで水道水を出す流れです。

この作業を2~3回繰り返し洗浄完了になります。

 

手順4:冷却水の補充

洗浄が完了した後、綺麗な冷却水を補充していきます。この際、入れすぎても少なすぎてもいけませんので、規定量を守るようにしましょう。

その後、冷却水流路内のエア抜きを行ってください。

 

ここまでのすべての手順が完了したら、最後に冷却水に漏れがないか、量は適正か確認し、キャップなど外していたものを閉め交換作業終了です。

万が一作業している際に破損箇所を見つけた場合、自分で無理に交換しようとせず専門家に相談して下さい。

クーラント液が漏れた時の対応策

万が一クーラント液が漏れた際には、適切な手順で対応する必要があります。

 

漏れた際の対応手順は、以下の通りです。

 

【手順】

1.道路のわきに車を停車する

2.ボンネットを開きラジエーター周りに漏れがあるか確認する

3.クーラント液の漏れが確認できる場合はロードサービスなどに連絡し助けを求める

 

独特な匂いやメーター異常など、異変に気付いた際には速やかに道路わきに車を停め、ボンネットを開き、ラジエーター周りを確認してみて下さい。

この際、万が一クーラント液が漏れていても、ラジエーターキャップは開けないで下さい。

 

リザーバータンクのラジエーターキャップは、主圧弁と負圧弁が備えられ、冷却系路圧力を適正圧力に保持する役割を持っています。

高圧にし、クーラント液の沸点を上げていますので、内部は圧力鍋に似た状態です。

 

そのため、エンジンを停止してからすぐにラジエーターキャップを開いてしまった場合、熱水が噴き出し大やけどしてしまう危険があります。

また、クーラント液が漏れてしまい不足してしまった場合でも、水で代用しないようにして下さい。

 

クーラント液には、凍結やオーバーヒート等を防止する役割を果たしてくれますが、水ではそのような防止効果は期待できません。

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この記事を書いた人

環境課題とAIなどの先端技術に深い関心を寄せ、その視点から情報を発信する編集局です。持続可能な未来を構築するための解決策と、AIなどのテクノロジーがその未来にどのように貢献できるかについてこのメディアで発信していきます。これらのテーマは、複雑な問題に対する多角的な視点を提供し、現代社会の様々な課題に対する理解を深めることを可能にしています。皆様にとって、私の発信する情報が有益で新たな視点を提供するものとなれば幸いです。

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