トラックを廃車するベストタイミングはいつ?

普段の生活で利用する普通乗用車であれば、ある程度の走行距離や年式が来れば「そろそろ買い替え時かな」というタイミングにあうもの。

ところが運送業などで使われるトラックは寿命の目安を考えても、稼働時間などを考えても普通乗用車とは比較になりません。

 

今回はそういったトラックの廃車をするタイミングや廃車の流れ、必要な書類などについてご紹介します。

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トラック廃車の適切なタイミングは?

普通自動車であれば、走行距離がおよそ10万キロを超えた時期、あるいは年式が10年以上になると下取りで値段が付かなくなったり、税金の値段も高くなるのでいよいよ乗り換え・廃車という選択肢が出てくるタイミングです。

ですが、普通自動車とは桁違いの距離や時間を走るトラックは、どういった事を目安に廃車するかを判断すれば良いのでしょうか。

走行距離による廃車の目安

トラックの寿命は製造年式というよりも、どれだけ走っているかの走行距離が寿命の目安に大きく関係します。

中型、大型など車両の種類や日常的に運搬する荷物の積載量によっても大きく変わりますが、トラックはおよそ30〜50万km前後の走行が可能と言われています

 

このように走行距離は寿命か否かの重要な判断材料となります。そしてトラックの寿命が約30〜50万kmと認識されているのは、普通乗用車でいうタイミングベルトの代わりに「タイミングチェーン」が使用されているからです。

タイミングチェーンの交換目安は、30〜50万kmと言われていますが、交換にかかる費用がおよそ20万円かかります。また、部品交換とメンテナンスを定期的に行い、大きな不具合がない車両であれば、70~80万km程まで走行距離を伸ばす事ができる車両もあります。

使用年数と廃車タイミング

普通自動車の寿命はおよそ10年と言われていますが、統計を見てみると2021年3月末の普通自動車の平均使用年数、つまり新車登録から廃車までの期間は13.87年でした。

一方でトラックの場合は14.37年と、普通自動車より寿命は長いという結果が出ています。

 

その大きな理由としては、エンジン自体が普通車と比べて大きく、消耗が少なくて済むということ、部品パーツが大きくむき出しになっているので、修理・交換がしやすいことが一般的に理由として考えられています。

使用年数は目安なので、メンテナンスを定期的に行い、長持ちさせる運転方法をとったトラックの場合は20年以上も乗り続けられることも可能です。さらに車の部品パーツは、エンジンも、穴の空いたボディも、ほとんどが交換可能なので、理論的にはメーカーが部品供給を終えるまで半永続的に乗り続けることができるのです。

 

つまり、平均使用年数はあくまでも目安であり、廃車をするタイミングはドライバーのメンテナンスや判断、走行距離などで決まってくると言えるでしょう。

参考記事:平均使用年数|一般社団法人自動車検査登録情報協会

トラック廃車の手続きステップ

トラックを廃車するときにかかる手続き自体は普通自動車と同じですが、トラックを手放す際には抹消登録をする必要があります。

廃車にする手続きの流れと、提出・受取する書類、永久抹消登録か一時抹消登録かで流れが異なる抹消登録方法も含め、詳しくご紹介します。

必要書類一覧

トラックを廃車にし、手放す際に必須の永久抹消登録とは、事故などで、中古車として販売するのが難しい状態のトラックを解体して、自動車登録から抹消する手続きです。

もう二度とそのトラックに乗らないという場合に、この手続きがとられています。

 

永久抹消登録・廃車に必要な書類

・車検証

・所有者の実印

・所有者の印鑑証明書(発行より3か月以内のもの)

・移動報告番号と解体通知書(解体業者から受け取る)

・手数料納付書(運輸支局にて受け取る)

・永久抹消登録申請書(運輸支局にて受け取る)

・自動車税、自動車取得税、自動車重量税申告書

・ナンバープレート(前後2枚)

・所有者の実印の押印がある委任状(代理人が行う場合)

 

これに対して一時抹消登録とは、長期間乗らない際や私有地の中でのみ乗るという場合に、一時的に自動車登録を抹消する手続きです。

抹消中は、自動車税を納付する必要がないものです。

 

一時抹消登録・廃車に必要な書類

・車検証

・所有者の実印

・所有者の印鑑証明書(発行より3か月以内のもの)

・手数料納付書(運輸支局にて受け取る)

・一時抹消登録申請書(運輸支局にて受け取る)

・自動車税、自動車取得税、自動車重量税申告書

・ナンバープレート(前後2枚)

・所有者の実印の押印がある委任状(代理人が行う場合)

出典:自動車登録申請|ツナガル行政書士

必要な共通書類

・事業用自動車等連絡書(事業所の車両の増減時に必要になる)

・土砂等運搬大型自動車廃止届出書

(車両総重量が8トン以上または最大積載量が5トン以上のダンプ車の場合)

 

手続きの流れ

必要書類同様、廃車にする手続きの流れも永久抹消登録か一時抹消登録かで異なります。

 

永久抹消登録の場合の手順

まず、前後2枚のナンバープレートを外し、スクラップ業者に依頼してトラックを解体してもらう

・「解体報告記録日」と「移動報告番号」をスクラップ業者から受け取る

・解体後15日以内に必要書類を準備して管轄の運輸支局へ行く

・必要書類とナンバープレート2枚を運輸支局の返納窓口へ返却する

・申請書へ必要事項と「解体報告記録日」「移動報告番号」を記入して提出する

・運輸支局から「廃車証明書」を受け取り、廃車の手続きは完了

 

一時抹消登録の場合の手順

・前後2枚のナンバープレートを外し、管轄の運輸支局の返納窓口へ返却する

・必要書類を管轄の運輸支局の窓口に提出する

・一時抹消登録の申請書類に必要事項を記入し、350円分の手数料印紙を貼った上、窓口に提出する

・一時抹消登録証明書を受け取り、廃車の手続きは完了

参考記事:廃車の手続き(一時抹消登録)|国土交通省

費用と買取の可能性

では、トラックの廃車にあたってどれくらいの費用がかかるのでしょうか。

解体する場合は解体費用やリサイクル料、また戻ってくる自動車税の還付金もあります。

 

そして廃車後の買取りサービスは可能なのかどういったものか、手続き同様、永久抹消登録と一時抹消登録のケースに分けて整理していきます。

廃車にかかる費用と節約のコツ

永久抹消登録にかかる費用

永久抹消登録の場合は、トラックを解体することが前提なので解体費用がかかります。

トラックのサイズによりますが、1~3万円程度かかると見込んでおきましょう。

 

もしこれまでに支払っていなければ、リサイクル料もかかってきます。リサイクル料は、車両購入時、車検時にも支払うタイミングはあり、過去に支払っていない場合には平均2〜3万円が必要です。

また、行政書士に登録抹消手続きの代行を依頼する場合も、1万円程の代行費用がかかります。

 

一時抹消登録にかかる費用

一時抹消登録の場合は、登録手数料で350円が必要です。

永久抹消登録と同様に、これまでにリサイクル料を支払っていなければ、リサイクル料が約2〜3万円必要となります。

 

その他は特段費用はかかりませんが、こちらも行政書士に登録手続き代行を依頼すると1万円程の代行費用がかかってきます。

トラックを廃車する際の節約方法としては、抹消登録によって費用が抑えられることや、下記の還付金や、トラック解体をしたときに出る鉄くずの買取り例が挙げられます。

参考記事:車庫・自動車登録|ツナガル行政書士

 

還付金・返金について

自動車税は、1年分をまとめて納付するので、廃車した場合は翌月からの残金が還付されます。

抹消登録手続きの際は、忘れずに還付手続きも行いましょう。

 

トラック解体によって得られる返金

トラックを永久抹消登録しスクラップ業者に出す場合、そこで出た鉄くずをリサイクル素材として買い取ってもらえます。トラックの大きさやタイプにもよりますが、1〜3万円程度返ってくることがあります。

このようにトラックを廃車にするにあたって、処理費用などがかかってしまいますが、中には税金の還付やリサイクルでお金が返ってくることもあります。

廃車後の買取サービス

中古車としてまだ乗れる可能性があるトラックなら、寿命を迎えたからといって解体を考える前に、買い取り業者に一度査定してもらいましょう。

自分では廃車だと思っていても、部品を交換するだけで、まだまだ走行可能なこともあるので、自己判断ではなく専門家に相談するのが確実。

 

現金化できないと思っていたトラックが、思ったよりもずっと高値で売れたというケースはたくさんあります。

日本で廃車とみなされても、海外輸出で需要がある車や、一見壊れていても使える部品がまだ残っている車はあります。

パーツ集めや海外輸出など、廃車トラックを積極的に購入したい業者もたくさんいるので、解体処理をする前に、できるだけ多くの業者へ査定を頼みましょう。思わぬ収入が見込めるかもしれません。

 

また、注意しなくてはならないのは、車としての価値がまだ少しはあると思っていても、逆に廃車費用を請求されてしまう場合もあります。

自己判断でトラックのコンディションを見る自信がなければ、確実に無料で引き取ってもらえる業者を探しましょう。

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この記事を書いた人

環境課題とAIなどの先端技術に深い関心を寄せ、その視点から情報を発信する編集局です。持続可能な未来を構築するための解決策と、AIなどのテクノロジーがその未来にどのように貢献できるかについてこのメディアで発信していきます。これらのテーマは、複雑な問題に対する多角的な視点を提供し、現代社会の様々な課題に対する理解を深めることを可能にしています。皆様にとって、私の発信する情報が有益で新たな視点を提供するものとなれば幸いです。

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