セミトレーラーの特徴から運転技術まで

この記事を読まれている方の中には「セミトレーラーの基本的な特徴について知りたい」、「日本での使用状況、運転技術と必要な資格について知りたい」とに思われている方も多いのではないでしょうか?

記事を最後まで読んでいただければ、上記悩みについて解決できるかと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。

目次

セミトレーラーの基本知識

セミトレーラーの基本知識について知りたいと思われている方は、セミトレーラーについて種類や特徴を含め理解する必要があります。

セミトレーラーとは

そもそもトレーラーとは、自動車・トラックといった牽引車と連結して大型荷物および貨物を運ぶために使われる車両のことです。トレーラーは自分で駆動できないため、牽引車に引っ張られることにより動くという特徴があります。

 

トレーラーには、フルトレーラーとセミトレーラーの2種類があります。

一般的なフルトレーラーでは、長さ約18.3mであり、セミトレーラーは長さが約13.6mの高さ約4mです。高さは変わらないものの、セミトレーラーに比べフルトレーラーは全体的に長さがあるため、大容量の貨物を運ぶ際や長距離輸送に向いている車両です。

 

上記で紹介したサイズは、どちらも一般的なサイズ基準であり、実際のサイズは国や地域の規制、輸送する貨物種類や用途により変わってきます。セミトレーラーでは、特徴として全長がコンパクトということがあり、道路規制制限を超えずに走行可能ですので、一般的な道路や都市部の運用に最適です。

 

また、フルトレーラーとセミトレーラーの違いは車軸にもあり、フルトレーラーの場合、トレーラー部分とトラクターユニットが一体化しており、ステアリング軸が牽引車前部にあります。

その一方で、セミトレーラーの場合、フロント部のない形状のトラクターユニット後部となっています。セミトレーラーにおける車軸配置としては、ステアリング軸がトラクターユニットにあり、方向制御は前輪を操作して行う仕組みです。

セミトレーラーの種類と特

国交省が実施した規制緩和により、台車部分のセミトレーラーにおける全長について緩和されています。

以下8種類が規制緩和の告知により特例8車種に設定され、全長サイズが13mに緩和されています。

 

【スタンション型】

支柱や柱という意味がある「スタンション」を前方から後方に架台左右に並べ、鉄筋や鉄骨などの原木やコンクリート製品、鋼材などの輸送で活躍する種類です。スタンションは積荷の重量や大きさで高さや本数を変更し、挟み込むことで固縛しています。

 

【あおり型】

平ボディと同じ型のセミトレーラーであり、ダンプトレーラーも該当します。

 

【船底型】

名前の通り、架台の底が船底のように凹んだ形です。貨物落下を防ぐための十分な深さがあることに加え、強度の高い貨物の支え台と固縛装置があるセミトレーラーの種類です。

 

【コンテナ型】

海上コンテナの輸送を専用としたセミトレーラーであり、海上コンテナの大きさは、トレーラーの作成と関連するトレーラーであれば、海上コンテナの重量や寸法に沿って設計され、6mと12mコンテナに対応できます。

現在では、この2つのコンテナサイズに加え、規制緩和に伴いアジア主要国間における輸送が浸透する13.5mのものが使われています。

 

【バン型】

一般的なトラックのバン型と同じ型であり、バン型の他に冷凍冷蔵型やウィング型などが存在し、ほとんどがアルミのボディとなっています。

冷凍冷蔵型の場合は、蓄電設備が備えられ、トラクターと別にした場合でも冷凍冷蔵を独自で維持が可能です。

 

【タンク型】

化学薬品、燃料といった液体製品や原材料を運ぶ際に使われ、粉粒体に対応できるバルク車タイプも存在します。

 

【自動車運搬型】

セミトレーラーにおけるキャリアカーであり、自動車をトラクター上部に載せられる自動車運搬型のセミトレーラーも存在します。

 

【幌型】

前述したあおり型と同じ型の車体に対し、骨組みの布の幌を被せたセミトレーラーの種類であり、幌は位置を移動したり、外したりすることもできます。

運搬する物をリフトやクレーンを使って積み込めるのが特徴です。あおりは重量も軽いため積載荷重をそこまで減らさずに、運搬物を搬送中に風雨にさらしてしまうことなく運べます。

セミトレーラーの運転技術

セミトレーラーの運転技術について、基本的な運転方法と運転時の注意点について解説します。

基本的な運転方法

トレーラーとでは、車体が長いというイメージを持っている方は多いかと思います。

実際にトレーラーは、ほとんどのものが全長10m以上であり、車両によっては20mに及ぶものもあります。直進時では、連結状態の長さや幅、高さに気を付ける必要ことがポイントです。

長時間の運転により、牽引していること忘れていてしまっていると大事故に繋がります。

 

踏み切りや交差点では特に注意する必要があり、後ろの長さをしっかり把握していないままムリに通過してしまうと、事故に繋がる可能性が高いです。その他にも、高さや幅が車両より大きい場合は、注意して運転する必要があります。

また、交差点などの左折時は、前方に深く進入した後に旋回する必要があります。トレーラーで左折する際は、普通のトラックに比べ運転が困難なため、内輪差に十分注意して運転することが大切です。

 

内側の車輪ラインをしっかりと確認し、内輪差を予測しつつ周囲の障害物や車に注意し通過するようにしましょう。極端すぎる大回りは、事故の発生に繋がる可能性がありますので、距離感をできるだけ正確に持つことがポイントです。

また、大きく旋回する際は、対向車線側にはみ出る必要があるため、前後から対向車が来ている場合は、一度停止し道を譲るなどの配慮が必要です。カーブや交差点で右折する時は、対向車に衝突しないように確認しながら運転し、状況によって大回りする必要があります。

 

トレーラーの運転では、バックが一番難しいとされています。連結部で折れ曲がる構造のため、自分が思っている方になかなか向いてくれず、苦労する方も多いです。バックする際は、トレーラーを中心として考え、トレーラーの向きを変えるためには、どの方向を前輪が向いていれば良いのか考えましょう。

バックでトレーラーを車庫入れする際は、逆にハンドルを切る必要があります。例えば、左バックで車庫入れしたい場合は、右方向にハンドルを切り、後輪を右方向に向けて車庫入れします。

運転時の注意点

セミトレーラーの運転では、スネーキング現象とプラウアウト現象という特有の注意点があることも忘れてはいきません。

 

スネーキング現象は、急に加速したり、ブレーキをかけたりすることで発生する現象のことです。この現象により、連結車両が曲がった状態で操縦できなくなってしまう可能性があります。

トレーラーの操縦ができなくなり、うねった姿が蛇を想像させるため、スネーキングと呼ばれています。スネーキング現象が発生することで、道路にトレーラーが横転し、二次災害が発生する危険もありますので十分な注意が必要です。

 

プラウアウト現象も同様に、発生した場合はトレーラーの制御が効かなくなってしまいます。ハンドルが効かないことに加え、ブレーキも使えなくなってしまいますので、非常に危険です。

この現象が発生してしまうのは、急ブレーキにより、トラクターブレーキにロックがかかってしまうからです。そのため、別名でトラクターフロントロック現象とも呼ばれています。

セミトレーラーを運転するために必要な資格

セミトレーラーを運転するために必要な資格、資格を取得するポイントについて解説します。

必須の運転免許

トレーラーを運転するドライバーが必ず取得している必要がある資格は、「けん引免許」か「けん引二種」のどちらかです。けん引免許は重さが750kg以上のけん引自動車の運転で必要になり、けん引二種免許では、連接バスやトレーラーバスの運転で必要な免許です。

このどちらかの免許を持っていなければ、トレーラーは運転できません。

資格取得のポイント

トレーラーは、被牽引車両と牽引車両を連結している部分が可動式のため、バックや方向転換する場合には、単車トラックと全く違う挙動になります。

特にバックして方向転換する場合、一旦逆ハンドルを切った後に、順ハンドルを切らなければならず、運転方法にいくつかのポイントがあります。

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この記事を書いた人

環境課題とAIなどの先端技術に深い関心を寄せ、その視点から情報を発信する編集局です。持続可能な未来を構築するための解決策と、AIなどのテクノロジーがその未来にどのように貢献できるかについてこのメディアで発信していきます。これらのテーマは、複雑な問題に対する多角的な視点を提供し、現代社会の様々な課題に対する理解を深めることを可能にしています。皆様にとって、私の発信する情報が有益で新たな視点を提供するものとなれば幸いです。

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