この記事を読まれている方の中には「サイドアンダーミラーの定義や機能、必要性について知りたい」、「サイドアンダーミラーの設置義務、見え方、メンテナンス方法について知りたい」、「サイドアンダーミラーの代替技術について知りたい。」と思われている方も多いのではないでしょうか?
記事を最後まで読んでいただければ、上記悩みについて解決できるかと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。
サイドアンダーミラーとは?
サイドアンダーミラーについて知りたいと思われている方は、サイドアンダーミラーの定義や歴史、なぜ義務化されたのかについて理解する必要があります。
定義と歴史
サイドアンダーミラーとは、2003年から乗用車や中型・小型トラックなどの車両を対象に導入されたミラーの一種であり、ドライバーが前方の視界や助手席側の視界を確認できるようにするためのミラーです。
1970~80年代に、車高が高いSUV自動車やトラックなどで発進時や駐車時の助手席側の事故が多く社会問題となったことをきっかけに、サイドアンダーミラーが導入されました。
このようにサイドアンダーミラーには、ドライバーの視界を確保し事故を防止するために誕生した背景があります。
義務化された背景
サイドアンダーミラーは、大型トラックが左折時に巻き込み事故を発生する頻度が多いことから、設置が義務化されました。大型トラックでは1978年に義務化され、中型小型トラック等は2003年から義務化となっており、道路運送車両における保安基準第44条により、車両に設置することが義務付けられました。
そのため、「邪魔だから」「ださい」「必要ない」などの理由で、サイドアンダーミラーを車両から取り外してしまった場合、保安基準を満たしていないという判断になり、車検で引っかかってしまいます。
また、車検で引っかかるため、サイドアンダーミラーを車両から取り外してしまった場合、公道が走れません。
助手席側前方における視界を確認するために、安全性向上の目的で設置することが義務となっていますので、取り外してしまうのは道路運送車両における保安基準上、認められていませんので理解しておきましょう。
サイドアンダーミラーの役割とメリット
サイドアンダーミラーは、安全に運転する上で非常に重要な装備です。サイドアンダーミラーの役割とメリットについて解説します。
死角を減らす役割
サイドアンダーミラーには、サイドミラーだけでは確認できない後方および後側方をしっかりと確認するための役割があります。特に車体が大きなトラックでは、サイドミラーのみ確認しても、どうしても死角が発生してしまいます。
そのため、SUVやトラックなど大きな車両にはサイドアンダーミラーが設置されているのです。右左折時における巻き込み防止や、死角をしっかりと確認でき、広い範囲がミラーに映り確認できる広角ミラーが使われています。
また、再度アンダーミラーは運転席や助手席の直下に発生する死角も確認することが可能です。実際に死角が減ることで、これまで見落としていた障害物や人が確認できるため、巻き込み事故防止に繋がり、安全性が高まります。
安全性の向上
繰り返しになりますが、車体が大きなトラックでは、サイドミラーだけでは十分に周囲の状況が確認できず、見えない死角が発生してしまいます。死角が発生してしまうと、右左折時に気付かず巻き込み事故に繋がってしまう可能性が高いです。
しかし、サイドアンダーミラーでは、運転席と助手席のすぐ下までミラーに映してくれるため、サイドミラーでは見えなかった死角が確認できます。より広範囲を確認できるように、ミラーには広角ミラーが使用されており、右左折時などに発生しやすい巻き込み事故を防いでくれます。
車体が大きな車両ほど死角が生まれやすく、巻き込み事故も発生しやすいため、車体が大きな車両になればなるほど重要といえるミラーです。
サイドアンダーミラーの正しい使用とメンテナンス
サイドアンダーミラーを利用することで、安全性が向上しますが、そのためには正しい使用方法を理解しておく必要があります。正しい使用方法、メンテナンスについて理解することで、より安全効果を高められますので押さえておきましょう。
適切な角度の調整方法
サイドミラーおよびアンダーミラーでは確認できない死角を、確認できるようにしてくれるのがサイドアンダーミラーです。そのため、その資格をしっかりと確認できるように調整するのが、サイドアンダーミラーの正しい調整方法になります。
サイドミラーおよびアンダーミラーの資格を補う目的があるため、サイドアンダーミラーの調整では、サイドミラーおよびアンダーミラーの2つのミラーと併せ調整する必要があります。サイドミラーでは確認できない下部、アンダーミラーでは確認できない側方がはっきりと確認できる角度が最適な角度です。
そのため、最適な角度を見つける際は、サイドミラーおよびアンダーミラーでは見えない角度が移るように調整しましょう。
定期的なメンテナンスと清掃
ここまでの解説で理解していただけたかと思いますが、サイドアンダーミラーは事故を防止するために非常に重要なミラーです。サイドアンダーミラーによる安全性向上の効果を、最大限発揮するためにも定期的にメンテナンスする必要があります。
例えサイドアンダーミラーの角度調整が適切にできていても、また、広角ミラーで広い範囲が確認できたとしても、ミラーが汚れてしまっていたり、割れてしまったりした場合は、しっかりと確認できないため意味がありません。そのため、定期的にサイドアンダーミラーに傷がないか、汚れがないかなどメンテナンスするようにしましょう。
サイドアンダーミラーの代替技術
サイドアンダーミラーの代替技術として、サイドアンダーカメラが注目されています。
サイドアンダーカメラのメリット・デメリット、今後の技術革新の可能性について解説します。
サイドアンダーカメラの登場
近年では、サイドアンダーミラーの他に、サイドアンダーカメラにより死角が確認できます。
サイドアンダーカメラには、車両には最初から埋蔵されているタイプ、後からカメラを設置するタイプ、カメラが付いたサイドミラーを設置するタイプの3種類が存在します。
また、カメラレンズは、カメラで撮影した姿をそのまま写し出す正像と、鏡のように写し出す鏡像、広い幅を写し出す魚眼タイプの3種類です。
サイドアンダーカメラを設置した上でモニターやナビに画像を写すことにより、左側面部分を確認しやすくできます。
サイドアンダーカメラを利用することで、人混みの中で駐車する時や路肩に駐車する時、段差を乗り越える時などの操作を楽にできます。
さらに、左側のみならず、サイドアンダーカメラを右側にも設置することで、駐車が苦手な場合でも楽に駐車できる可能性が高いです。
しかし、雪や雨が降ってしまった場合、カメラが見にくくなってしまうこともあるため、視界が悪くなる場合や、故障により高い修理代がかかってしまう可能性もあります。
サイドアンダーミラーには、使いやすく故障しにくいメリットがある反面、天井などに引っかかる可能性があるなどのデメリットが存在します。
その一方でサイドアンダーカメラは、サイズもコンパクトであり、大画面で確認できる反面、雨や雪により見にくくなってしまうということがデメリットです。
見え方にもミラーとカメラには大きな違いがあります。サイドアンダーミラーでは、車体左側における死角部分・直下までの確認しかできないものの、サイドアンダーカメラでは、車体左側前後・下部をカーナビやモニター画面から確認可能です。
こういった違いからも、サイドアンダーミラーに比べカメラの方が、広い視野で確認できることが分かると思います。
サイドアンダーミラーでは、取り外しが簡単にできませんが、同じ役割を持っているサイドアンダーカメラの場合、取り外しも簡単にできます。そのため、後から安全性を向上するためカメラを設置したいという方にとっては非常に魅力的なポイントです。
将来の技術動向
上記で解説したように、サイドアンダーミラーの代替技術として、サイドアンダーカメラの普及が拡大しています。
ミラーに比べ、取り外しが簡単だったり、コンパクトで広範囲が確認できたりといったメリットがあるサイドアンダーカメラですが、雨や雪で確認しにくくなってしまうなど、デメリットもあります。そのため、将来的にはサイドアンダーミラーとサイドアンダーカメラの両方のデメリットを補える技術が開発され普及することが考えられます。