タイヤ交換には、自分で行う場合と、タイヤ専門店などで交換してもらう場合があります。
自分で行うセルフ交換の場合には、正しい知識をもって、必要な道具をそろえ、正しい手順で作業することが大切です。
とくに、トラックのタイヤを交換する場合には、細心の注意を払わないと、思わぬトラブルや事故を引き起こしてしまうこともあります。
そこでこの記事では、タイヤの種類や基本的な交換方法、交換に必要な道具、そして費用について説明します。
タイヤ交換の準備
タイヤを交換する際には、安全な場所を確保したり、必要な工具をそろえたりといった準備が必要になります。
そこで、まずは、タイヤを交換するときには、どのような準備が必要なのかについて見ていきましょう。
必要な道具
タイヤ交換に必要な工具にはどんなものがあるのでしょうか?
タイヤ交換を行うためには、まずは必要な工具を準備しなければなりません。
車載されている工具を使うこともできますが、別途購入した方がいいケースもあります。
通常は、トランクの底などに、スペアタイヤと一緒に、ジャッキ、レンチ、ジャッキ操作棒の3点が、交換用の工具がセットとして納められています。
最低限必要な工具は、ジャッキ、レンチ、トルクレンチの3つが挙げられます。
それぞれの工具の役割を確認しましょう。
ジャッキ | ・地面からタイヤを持ち上げるために必要な工具
・車載工具としてよく搭載されているのは「パンタグラフジャッキ」で、値段も比較的安価で、軽量でコンパクトなため便利 |
レンチ | ・ホイールナットを外すために必要な工具
・車載レンチはL字型をしているものが多い |
トルクレンチ | ・ナットを締めるときに、一定の力で締め付けたい時に使うレンチ
・測定しながら、適正な力で締め付けることができる |
なお、ジャッキを上げるには結構な力が必要となり、上げたジャッキも意外と不安定です。できるだけ作業を簡単に、楽にするために「油圧式のフロアジャッキ」を購入した方がいいでしょう。
また、車載用のL字型レンチでは、ナットを回す際に力が入りづらいですが、クロスレンチを使うと、ナットを回す力が入れやすくなります。
それ以外に、準備したほうがいい道具には以下のものがあります。
軍手 | 作業時に手が汚れたり、傷ついたりしないように |
輪止め | 車が動かないようにする |
三角停止板 | 他の車に停車中であることを知らせるための三角表示板 |
マイナスのドライバーなどもあればより便利でしょう。
安全確認
タイヤ交換で最も重要なことは、エンジンは必ず切った状態で、安全な場所を選んで作業することです。
不安定な場所で作業をすると、ジャッキが外れたりして危険なケースもあります。
なるべく平らな舗装された地面で、タイヤ交換の作業をするのにスペース的に余裕がある場所で行いましょう。
タイヤ交換の手順
では次に、タイヤ交換の手順について紹介しましょう。
まず、前章で紹介したように、安全な場所を確保します。
車止めの設置
平らで舗装された地面で、さらに安全で、周囲の車の邪魔にならない場所を選んだら、パーキングブレーキをかけ、サイドブレーキを引いて車を停めます。
そして、交換を行う反対側のタイヤに車止めを設置します。
また、他の車両に停止していることを知らせるために、三角表示板を設置することも必須です。
タイヤの交換
どのような手順でタイヤ交換を行うのかを確認しましょう。
1 | ナットを緩める |
2 | ジャッキで車体を持ち上げる |
3 | 古いタイヤを取り外す |
4 | 新しいタイヤを取り付ける |
5 | ナットを締める |
ホイールキャップがある場合、まずはこれを外します。
ホイールとキャップとの間に、レンチなどの平らな部分を差し込んで外します。
ナットを外すには、ホイールレンチを使って反時計回りに緩めていきますが、まずは軽く緩める程度にしておきます。
車体の下には、ジャッキを当てる「ジャッキアップポイント」と呼ばれる部分があり、三角のマークや凹みが付いています。
ジャッキの先端にある溝を、このポイントにしっかりと合わせて固定します。
溝が合っていないと、ジャッキアップポイントが曲がってしまうケースもあります。
また、ジャッキを適当な場所にかけることも危険なので、取扱説明書でしっかりと確認して行いましょう。ジャッキで、タイヤが地面から少し浮き上がるくらいまで持ち上げます。
車体が上がったら、ナットをすべて外し、タイヤを車体から取り外します。
次に、新しく装着するタイヤを車体に取り付けます。
ナットを時計回りに手で入れて、まず仮止めします。
すべてのナットを仮止めしたら、1カ所をいきなり完全に締めてしまわずに、まずはすべてのナットを2回から3回に分けて、均等に順番に締めていきます。
この際、対角線の順番に行うと、確実に締められます。
ホイールがガタガタしなくなるまで締め込んでいきます。
すべてのナットがしっかりと締まったら、ジャッキをゆっくりと下ろして、タイヤを地面に着地させ、完全に車体が下りきったらジャッキを取り外し、タイヤ交換は終了です。
タイヤ交換の費用
次に、タイヤ交換にはどのくらいの費用がかかるのか見ていきましょう。
交換費用の概算
タイヤ交換の費用相場を、2つの項目に分けて確認していきましょう。
・自分でタイヤを交換する場合にかかる費用
・お店でタイヤを交換する場合にかかる料金
それぞれを詳しく見ていきましょう。
「自分でタイヤを交換する場合」
お店に依頼せずに、自分でタイヤ交換をする場合には、次の費用がかかります。
タイヤの費用 | 軽自動車は1本3,000円程度から、普通車で1万円前後が目安 |
工具をそろえる費用 | ・車載の工具を利用する場合には、購入の必要はありません
・新たに購入する場合 油圧式ジャッキ 約3,000~6,000円程度 トルクレンチ 約2,500~4,000円程度 クロスレンチ 約3,000~5,000円程度 |
タイヤの代金は大きさによって異なります。
「お店でタイヤを交換する場合」
お店にタイヤ交換を依頼する場合には、次の費用がかかります。
タイヤの購入と作業工賃 | お店でタイヤを購入して、取り付けまで依頼する際は、1本あたり1,500~3,000円程度の工賃がかかります |
持ち込みタイヤの作業工賃 | 1本2,000~5,000円程度です |
自分で購入したタイヤをお店に持ち込んで取り付けだけを依頼する場合には、工賃は若干高めになります。
タイヤの費用は、自分で購入した場合とあまり変わりません。
費用節約のコツ
タイヤ交換の費用はすでに紹介したように、タイヤ代と作業工賃が含まれます。
費用を抑えるためには、両方を節約する必要があります。
工賃を節約するには、自分でタイヤ交換を行うか、交換作業の依頼先をしっかりと比較検討することです。
タイヤの購入費用を節約するには、海外製タイヤを選んだり、オンラインで購入したりすることで節約が可能です。
トラックのタイヤ種類
最後に、トラックのタイヤについて紹介します。
タイヤの構造
トラックのタイヤには、構造の違いによって4種類のタイヤがあります。
チューブタイヤ | ・以前にはメジャーで、多くのトラックに使用
・タイヤ内部にチューブを通してある構造 |
チューブレスタイヤ | ・タイヤ内部にチューブがなく、インナーライナーと呼ばれるゴムシートが貼られている
・パンクしても空気が抜けづらいため、パンクに気づかないことがあり注意が必要 |
ラジアルタイヤ | ・現在主流のタイヤ
・タイヤの骨格が、タイヤの中心からラジアル状(放射状)に配置され、ベルトで締めつけている構造 |
バイアスタイヤ | タイヤの骨格を斜めに配置し、ねじれが発生しないように、互い違いに逆方向に重ねていき、ブレーカーで締めつけている構造 |
構造の違いにより、乗用車のタイヤよりも多くの種類があります。
トレッドパターン
トラックのタイヤは「トレッドパターン」と呼ばれる溝の模様にもさまざまなパターンがあり、代表的なものには4種類あります。
リブ型 | タイヤの縦方向にギザギザ模様が入っているタイプ |
ラグ型 | タイヤの幅の真ん中あたりから、左右の横方向に溝があるタイプ |
リブラグ型 | タイヤの真ん中にリブ型、左右横端にラグ型の溝が入っているタイプ |
ブロック型 | タイヤ全面がブロックを敷き詰めたような模様で、スタッドレスタイヤもその一種 |
タイヤ全面がブロックを敷き詰めたような模様で、スタッドレスタイヤもその一種トラックのタイヤは、トラックの総重量を支えている大切な部分なので、トラックの大きさや種類によって、タイヤやトレッドパターンの種類を考えてつける必要があります。