走行中でも作業中でも、常にトラックの状態管理やメンテナンスを行う必要のあるトラックドライバー。
メーターパネル内に設置される「警告灯」はトラックのコンディションを知る手掛かりとなる頼もしい存在であり、常にチェックしておきたいところです。
しかし、見分け方や対処法は意外と知らないドライバーも多いため、実際にトラック警告灯が点灯した場合の正しい対応法や点灯する原因などを理解しておきましょう。
トラック警告灯の基本
現在、物流・運送業界では非常に幅広いタイプのトラックが使用されており、車内のメーターパネルにも実に多くの警告灯や表示灯が搭載されています。
メーカー・型式・年式によって若干の差はあるものの、一般的にトラックのメーターパネルには30種類前後の表示灯や警告灯が存在します。
警告灯の種類とそれぞれの意味
トラックに装備されている警告灯は基本、機能に関する状態を知らせてくれます。
警告灯が点灯した時はトラックの基本機能に何らかのトラブルが発生している状態なので、点灯した場合は見逃すことなく正しい対応法を講じましょう。
代表的な警告灯の種類は以下の通りです。
キャブチルト警告灯:乗車部分のキャブがロックされていない状態
燃料フィルター水抜き警告灯:燃料フィルター内に水が溜まっている場合
エンジン警告灯:エンジンシステムの異常
ブレーキ警告灯:ブレーキ系統の異常
油圧警告灯:エンジンオイルの圧力異常
オーバーヒート警告灯:エンジンにおける異常加熱時
充電警告灯:充電系統の異常
ABS警告灯:ABS装置の異常
RSエアバッグ警告灯:エアバッグシステムの異常
色別警告灯の緊急性の違い
また警告灯マークの色は、国際規格(ISO)で「赤色・黄色・緑色」の3色と決まっており、点灯する色によって緊急性が違います。
赤色は「危険」な状態を表し、重大な故障や故障を引き起こす可能性があることを示しています。赤色警告灯が点灯したら速やかに安全な場所に停車させ、すぐに点検と修理を行いましょう。
一方、緑色は「安全」な状態を示しているので、点灯しても特に点検・修理する必要はありません。
そしておそらく警告灯のなかで最も目にする黄色は「注意」を表し、緊急停車するまではないものの、すみやかな点検は必要です。
このように、すべての警告灯が危険なわけではないということは覚えておきましょう。
赤色に点灯したらすぐに停車し、販売店かロードサービスに連絡しましょう
黄色に点灯したら警告灯の種類を確認し、走行は控え、販売店に相談しましょう
緑色の点灯は安全のサインなので、安心してください
警告灯が点灯する主な原因と対処法
エンジン警告灯は、各センサーが異常を検知したときに点灯するものです。
ドライバーは適切な対処を行うために、警告灯の点灯が何を意味しているのか、センサー別の役割と点灯時に考えられる不具合を理解しておきましょう。
ブレーキ関連の警告灯と対処法
運転席正面のメーターパネルには、ガソリンといった燃料の残量や速度メーターなど、トラック運転に必要なさまざまな情報が表示されています。
万が一走行中、「丸の中に赤い!マーク」が点灯していたら、それは緊急事態でありブレーキに異常が起きているかもしれません。このアイコンは「ブレーキ警告灯」なので、パーキングブレーキ(サイドブレーキ)がかかっている状態を示しています。
通常パーキングブレーキがかかっていると点灯しますが、解除しても点灯し続ける場合は、ブレーキに異常がある可能性があります。ブレーキは、トラックが安全に走るために非常に不可欠なもの。走行中にブレーキ警告灯がついたときには、何らかのブレーキトラブルや故障によって、のちに重大な事故へつながってしまうことがあり非常に危険です。
赤色のブレーキ警告灯が点灯したままが続けば、まずはパーキングブレーキが完全に解除されているかをチェックしましょう。走行前に必ず、ブレーキ警告灯が消灯しているのを確認する習慣を身につけましょう。
エンジン・電気系統の警告灯と対処法
エンジン警告灯が点灯する場合は、トラックの寿命にも影響をおよぼす深刻な異常だと言えます。
どのような原因でエンジン警告灯が点灯するのか、代表的な例を紹介します。
ディーゼルエンジントラックの場合
トラックに多く用いられているディーゼルエンジンの場合、「排出ガス浄化装置の詰まり」が原因で警告灯が点灯するケースがほとんど。対処法としては、排出ガス浄化装置のクリーニング後にリセットすると、エンジンが正常に作動します。
ガソリンエンジンのトラックの場合
ガソリンエンジンを用いたトラックで警告灯が点灯する場合は、次の2つの原因が考えられます。
排ガス測定装置O2のセンサー異常
小〜中型トラックにはガソリンエンジンが用いられることが多く、これらガソリントラックは燃費向上のために酸素濃度測定を行っています。この測定機O2センサーの異常によって、エンジン警告灯が点灯するケースがあります。対処法としては、まずO2センサーの交換を行いましょう。
吸気量測定のエアフローメーターの異常
エアエレメントの汚れでエンジンの吸気量が減少したり、吸気量を計測するエアフローメーターが故障したりした際もエンジン警告灯は点灯します。エアエレメントのこまめな清掃やデフロートメーターの交換を行いましょう。
警告灯が点灯した際の正しい行動
トラック走行中に警告灯が点灯したときは、速やかに安全な場所に車両を停止させて点検をし、必要に応じてカーディーラーや整備工場などの業者へ連絡しましょう。
突然の慣れないトラブルでも、初期対応をどう行うかで、深刻な問題になるかならないかが変わるほどです。
安全な停車と初期対応
走行中にエンジン警告灯が点灯したら、まずは安全で余裕のあるスペースに車を停めて点検しましょう。警告灯が点灯したからといって、走行車と接触する恐れのある路肩などに停車せず、必ず駐車場やパーキングエリアなどの安全な場所に移動することが大事です。
また警告灯が点灯したあとは、何色の警告灯であっても高速道路の走行や長距離・長時間の運転は避けましょう。
もし高速道路を走行しているときに点灯してしまった場合は、なるべく早めに一般道へ下りて、安全な場所に停車してください。
プロによる点検と修理の重要性
エンジン警告灯が点灯したら、まずは安全な場所に停車させ、ドライバー自身で異音や異臭などの異常がないかを確認します。
しかし、ドライバーは運転のプロなだけであって、トラックの不具合について精査することはできないもの。できるだけ早くカーディーラーや整備工場に連絡し、点検してもらいましょう。
前述でも説明したとおり、警告灯が点灯する理由の多くはエンジンやブレーキ制御に関わる重要なセンサー類の不具合です。センサーは非常に精密にできている上、システム内部や吸排気系統などの隠れた場所にあるので、一般のドライバーが修理するにはハードルが高いです。これらのことから、整備資格を持ったプロは、専用の故障診断装置をトラックのコンピューターに接続して原因を探し出してくれます。
整備業者へ連絡する際は、できるだけ詳しく下記のポイントを伝えましょう。
・エンジン警告灯の点灯に気付いたタイミングや、できるだけ詳しい日時や運転状況を知らせましょう
・走行中に気になった点や違和感があった場合は漏れなく伝えましょう
・自宅や業者までの距離がわかるように、現在地点(停車地点)の正確な位置を伝えましょう
プロのドライバーなら、乗車前の日常点検やハンドルを握りながら感じるトラックの調子は分かったとしてもその異常や違和感はほんの一部です。
そうすると判断の基準はこの警告灯です。
事前に知識を入れておき、実際に警告灯が点灯したら整備のプロにすぐ点検してもらいましょう。