トラックとトレーラーは荷物を効率的に運ぶことで経済を支えています。しかし、その種類や機能、運転方法は多岐にわたっているため、一見です。
そこで、本記事ではトラックとトレーラーの基本から、種類、利点、そして運転とメンテナンスまでを分かりやすく解説します。
トラックとトレーラー
まず、トラックとトレーラーはどのようなものなのでしょうか。言葉としては聞きなじみのあるものですが、ここで意味を再度しっかりと考えてみましょう。
トラックとは何か
トラックはコトバンクによると「後部に大きな荷台を備え、貨物の運搬に用いられる自動車。広義にはライトバン、ピックアップ、トレーラー、ダンプカーなどを含む。貨物自動車」となっています。つまり、自動車の中でも荷物を運ぶことに特化したものをトラックと呼びます。
さらに、荷台には下記のように多数の種類があり、運ぶ物ごとに適切なものを利用することが必要です。
・平ボディ：屋根がなく、荷台が軽くなる
・バンボディ：アルミ製の箱であり、荷崩れを起こしづらい
・ウィングボディ：両サイドが上に空き、載せ降ろしがしやすい
・帆ウィング：ウィングボディより軽量であり、荷物を多く積める
・保冷庫：保冷機能を搭載した荷台
・冷凍冷蔵庫：冷凍機能を搭載した荷台
トレーラーの概要
トレーラーとは、単体で走行できず、牽引車によって牽引される車両の総称です。主に貨物輸送に使用されており、トラックと連結することで大量の荷物を運搬できるようにします。一方、牽引免許が必要であったり、車体が長いことから運転技術が要求されたりとデメリットもあります。
トレーラーの主な用途をまとめると下記のようになります。
・長距離輸送:大量の荷物を長距離運搬する際にトラック単体よりも効率的に運ぶことが可能。
・重量物輸送:専用のトレーラーを用いることでトラックでは運搬できないものを運搬可能に。
・特殊な荷物輸送:専用のトレーラーによってコンテナや液体・粉類など、特殊な荷物を運搬可能に。
トレーラーの種類とその特徴
トレーラーにはさまざまな種類があります。ここではトレーラーの種類について確認し、運ぶ荷物によって適切なものを選べるようにしていきましょう。
セミトレーラーとフルトレーラー
トレーラーには下記のような種類があります。
・セミトレーラー:前部を牽引車に接続し、後部のみ車輪を持つタイプ。連結・切り離しが容易で、荷物の積み降ろしがスムーズ。
・フルトレーラー:前後両方に車輪を持ち、牽引車と一体化して走行するタイプ。積載量は多い一方で連結・切り離しに時間がかかる。
さらに、構造や大きさなどの特徴をまとめると下記のようになります。
1.セミトレーラー
・前部を牽引車に接続し、後部のみ車輪を持つタイプ。
・連結・切り離しが容易で、荷物の積み降ろしがスムーズ。
・全長は一般的に16.5m以下。
・牽引免許が必要。
・荷物の種類によって、幌枠型、バン型、タンク型など様々な形状がある。
2.フルトレーラー
・前後両方に車輪を持ち、牽引車と一体化して走行するタイプ。
・積載量は多いが、連結・切り離しに時間がかかり、運転技術も必要。
・全長は一般的に18m以下。
・牽引免許が必要。
・セミトレーラーと同様に、荷物の種類によって様々な形状がある。
特殊なトレーラータイプ
トレーラーにはセミトレーラーとフルトレーラーにくわえ、下記のような種類もあります。
・スタンション型:コンテナを積載するためのトレーラー。海上輸送との連携が容易
・あおり型:側面が開閉できるトレーラー。荷物の積み降ろしが容易。
・船底型:液体や粉類を運ぶためのタンクを備えたトレーラー。
特徴や構造で分けると下記のようになります。
1.スタンション型トレーラー
・コンテナを積載するためのトレーラー。
・海上輸送との連携が容易。
・コンテナの積み降ろし専用の設備が必要。
2.あおり型トレーラー
・側面が開閉できるトレーラー。
・荷物の積み降ろしが容易。
・主に雑貨や建設資材などの運搬に使用される。
3.船底型トレーラー
・液体や粉類を運ぶためのタンクを備えたトレーラー。
・タンクの形状は、積載する液体や粉類の種類によって異なる。
・専用の設備で荷物の積み降ろしを行う必要がある。
トラックとトレーラーの利点と制約
トラックとトレーラーはどちらにもメリットがあり、現場で積極的に利用されているものです。しかし、利点だけでなくどうしても出てきてしまう制約もあります。ここで、これらについて確認し、実際に利用すべき場面を想像していきましょう。
トラックのメリット
トラックのメリットには下記のようなものがあります。
・維持費の安さ:トレーラーに比べて車両価格や税金、保険料などが安く済む。
・運転のしやすさ:車体が小さく小回りが利き、運転がしやすい。
・幅広い用途:様々な荷物を運搬できるため用途が幅広い。
比較的簡単な免許:普通自動車免許で運転できる車両も多く、免許取得が容易。
これらの利点によって、トラックは小ロットの荷物配送や街中での配送など様々な場面で活躍しています
トレーラーのメリットと注意点
トレーラーには下記のようなメリットがあります。
圧倒的な積載量:トラック単体よりも多くの荷物を積載できることから輸送効率が大幅に向上。
作業効率の向上:荷物の積み降ろし作業を効率化できることから時間とコストを削減。
フェリー輸送の容易さ:トレーラー単体でフェリーに載せることができることから長距離輸送にも利用可能。
重量税の節約:特定の条件を満たせばトレーラーはトラック単体よりも重量税が安く済む。
一方、トレーラーには免許が必要といった制約があります。また、トレーラーは連結して利用していくものであるため、道が狭い場所に利用しにくい、連結・切り離しに時間がかかるといったことも制約です。
トレーラーの運転とメンテナンス
トレーラーは連結して利用する者であるため、運転技術が求められます。また、トレーラーはトラックと同様にメンテナンスが必要です。最後に運転テクニックとメンテナンスについて確認し、実際に利用できるように準備していきましょう。
トレーラーの運転テクニック
トレーラーの運転テクニックには多くのものがありますが、下記のものはしっかりと認識しておきましょう。
基本姿勢と視線:
・シートを高くし、周囲の状況を常に把握できる姿勢を保つ。
・ルームミラーとドアミラーを適切に調整し、車両全体と連結部分を確認できるようにする。
・車線変更や右左折時に十分なスペースを確保し、周囲の車両に注意する。
車体の挙動:
・トレーラーは車体が長いことから慣性力が大きいため、急加速や急ブレーキは避け、スムーズな運転を心がける。
・カーブ時には車体が大きく外側に振れるため、早めの減速と適切なハンドル操作を意識する。
・ブレーキ操作時には前後に連結された車両全体を意識し、段階的に行う。
連結部分への注意:
・連結部分の可動範囲を理解し、鋭角な曲がり角や段差では連結部分に負担がかからないように注意する。
・連結部のロックや安全装置を常に確認する。
とくに、連結部分への注意はトレーラーだからこそ出てくるテクニックであるため、事前にしっかりと認識しておきましょう。
トレーラーのメンテナンス
トレーラーのメンテナンスは一般的な車両に対するメンテナンスに加え、連結部分を定期的に点検することが必要です。自分で確認する日常点検だけでなく、専門業者への定期点検も積極的におこないましょう。とくに、内部は自分で確認することがなかなか難しいため、少しでも違和感を覚えたのであれば、その段階で点検を依頼することをおすすめいたします。
