特定技能の受入れ人数に上限はある?分野別の枠と最新データまとめ

特定技能で外国人を受け入れようとすると、「受入れ人数」「在留人数」「受入れ見込数」と似た言葉がいくつも出てきます。分野によっては企業ごとの上限もあり、どの数字を見ればいいのか迷う方は多いはずです。

この記事では、それぞれの数字が何を意味するのかを整理し、最新の統計データや分野別上限の仕組み、公表資料の確認先まで実務目線でまとめました。

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「受入れ見込数」「在留人数」「受入れ実績」は別の数字

「特定技能の人数」と聞いたとき、その意味は文脈によって異なります。話がかみ合わなくなる原因の大半は、用語の定義がずれていることです。まず基本を押さえておきましょう。

受入れ見込数と在留人数の違いを押さえる

混同しやすいのが「受入れ見込数」と「在留人数」です。受入れ見込数は、政府が閣議決定で定める「向こう5年間で、この分野にはこれだけの特定技能外国人を受け入れる見込みがある」という上限を指します。国全体の計画値であって、実際に今いる外国人の数ではありません。

人数のほうは、出入国在留管理庁が定期的に公表する「現時点で日本に在留している特定技能外国人の実数」です。速報値として半年ごとに更新され、分野別・国籍別・都道府県別に集計されています。「受入れ見込数」は天井の数字、「在留人数」は今の実態。この違いを押さえておけば、資料を読み間違えることはありません。

もう一つ、「受入れ実績」という表現を見かけることがあります。これは過去に受け入れた累計数や年間の新規受入数を指す場合が多く、在留人数とは一致しません。在留期間満了や帰国で人数は常に動いているので、「今いる人数」を確認したいなら在留人数を見てください。

1号と2号で上限管理の仕組みが異なる

特定技能1号は在留期間の上限が通算5年で、受入れ見込数の上限管理の対象です。政府が設定した82万人という枠は1号の受入れ見込数であり、分野ごとの上限もこの1号ベースで設定されています。

一方の特定技能2号は、在留期間の更新に上限がなく家族帯同も認められる上位資格です。2号には受入れ見込数のような数値上限がありません。2025年6月末時点の2号在留者は3,073人で、1号の33万人超に比べればまだ少数です。ただ、2024年12月末時点では832人だったので、半年で約3.7倍に急増しています。今後もこのペースで増えていくはずです。

実務上のポイントを一つ。建設分野で2号を取得した外国人は「常勤職員」としてカウントされるため、企業の受入れ枠を圧迫しません。2号が増えるほど、1号の受入れ余地が広がるという構造です。人数データを見るときは、1号と2号のどちらの数字なのかを必ず確認してください。

最新データで見る特定技能の増加ペース

制度開始から6年が経ち、特定技能の在留外国人数は急カーブで伸びています。最新の数字と、受入れ見込数の設定ロジックを確認しましょう。

2025年6月末時点の在留外国人数と伸び率

出入国在留管理庁の速報値によると、2025年6月末時点の特定技能在留外国人数は33万6,196人(1号:33万3,123人、2号:3,073人)です。2024年12月末の28万4,466人から半年で約5万2,000人増えており、前年同期比では約33.5%の伸びを記録しました。

2019年9月末はわずか200人程度だったことを考えると、6年間での変化は劇的です。コロナ禍の入国制限で2020〜2021年は伸び悩みましたが、2022年4月以降は一気に加速しました。技能実習からの移行、海外試験の実施回数増加、2023年の2号対象分野拡大、こうした動きが重なった結果です。

分野別で見ると、1号・2号合算で飲食料品製造業が約8万4,900人で最多。次いで介護が約5万4,900人、工業製品製造業が約5万1,500人、建設が約4万4,200人と続きます(いずれも2025年6月末時点)。

国籍別では、1号のベトナム人が約14万6,000人で全体の約44%を占めて最多ですが、以前は50%近かった比率が徐々に下がっており、インドネシアやミャンマーからの増加が目立ちます。出身国の分散化が進んでいる状況です。

分野別の受入れ見込数はどう算出されるか

受入れ見込数は「分野別運用方針」に基づき、閣議決定で正式に設定されます。計算のロジック自体はシンプルで、「5年後の人手不足見込み数」から「生産性向上と国内人材確保で対応できる分」を差し引いた数が受入れ見込数になります。

2024年3月29日の閣議決定では、2024年度から5年間の受入れ見込数が全分野合計で82万人に設定されました。前回(2019〜2023年度)の34万5,150人に対して約2.4倍の大幅引き上げです。同じタイミングで自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の4分野が新規追加され、対象は16分野に拡大しました。

主な分野の見込数は、工業製品製造業が17万3,300人、飲食料品製造業が13万9,000人、介護が13万5,000人、建設が8万人です。工業製品製造業は前回の約3.5倍で、伸び幅が突出しています。

ただし、この数字はあくまで上限です。経済情勢が大きく変わった場合は設定期間の途中でも見直される可能性があり、実際に2025年3月11日には介護・工業製品製造業・外食業の3分野で分野別運用方針の変更が閣議決定されています。

企業ごとの人数制限があるのは建設と介護だけ

特定技能では原則、企業ごとの受入れ人数に上限はありません。技能実習のように常勤職員数に応じた厳格な人数枠が設けられていないのが大きな特徴です。ただし建設分野と介護分野だけは例外で、企業・事業所ごとの制限があります。ここは間違えると受入計画が通らないので、正確に把握してください。

建設・介護で上限が設けられている背景

建設分野では、1号特定技能外国人と外国人建設就労者(特定活動)の合計人数が、受入れ企業の常勤職員の総数を超えてはなりません。

ここでいう常勤職員には、技能実習生・外国人建設就労者・1号特定技能外国人は含まれない点に注意が必要です。常勤職員が20人の会社なら、1号特定技能外国人は最大20人までという計算になります。

この制限の背景は建設業の特殊性です。工事ごとに就労場所が変わるため現場単位の管理が欠かせないこと、季節や受注状況で報酬が変動しやすいこと、外国人の就労環境を適正に確保する配慮が必要なこと。

国はこの3点を理由として挙げています。制限に加えて、建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録、JAC(建設技能人材機構)への加入、受入計画の国土交通大臣認定も必須です。

介護分野はもう少し厳しく、「事業所単位」で日本人等の常勤介護職員の総数が上限になります。ここが建設との違いで、企業全体ではなく事業所ごとの判定です。法人全体で常勤介護職員が50人いても、ある事業所の常勤が10人なら、その事業所で受け入れられる1号特定技能外国人は10人までです。

「日本人等」には、介護福祉士国家試験に合格したEPA介護福祉士、在留資格「介護」の外国人、永住者や日本人の配偶者等も含まれます。一方で、技能実習生やEPA介護福祉士候補者、留学生は含まれません。自社の事業所ごとに正確にカウントしてから受入計画を立ててください。

その他14分野で押さえておくべき受入れ要件

建設と介護以外の14分野には、企業ごとの受入れ人数枠はありません。制度上は何人でも受入れ可能です。ただし「上限がないから何も準備しなくていい」という話ではありません。

各分野の協議会(または受入事業実施法人)への加入が必須です。未加入の企業はそもそも特定技能外国人を受け入れられません。工業製品製造業では2025年6月にJAIM(工業製品製造技能人材機構)が発足し、加入が義務化されました。分野によっては独自の報告義務や受入れ体制の基準を設けている場合もあるので、自社の分野のルールは事前に確認しておくべきです。

受入れ機関としての基本要件、つまり社会保険への加入、労働関係法令の遵守、支援体制の整備も当然求められます。支援計画を自社で実施できなければ登録支援機関への委託が必要で、委託費は人数に応じて増えます。人数制限がないからといって際限なく受け入れるのは現実的ではなく、自社の管理体制に見合った人数で計画を立てるのが基本です。

受入れ人数を調べるときの一次資料と更新頻度

特定技能に関する数字は頻繁に変わります。古い数字のまま社内資料を作ってしまうと、申請時や監査時に指摘を受けることもあります。信頼できるソースと確認頻度を押さえておきましょう。

公表資料の確認先リスト

一次資料として最も信頼性が高いのは、出入国在留管理庁のWebサイトです。「特定技能在留外国人数の公表等」というページで、分野別・国籍別・都道府県別の在留外国人数が半年ごとに公表されています。速報値はPDFとExcel形式でダウンロードできるので、数字の出典にはここを使ってください。

受入れ見込数の設定根拠は、同じく出入国在留管理庁の「特定技能の受入れ見込数の再設定及び対象分野等の追加について(令和6年3月29日閣議決定)」のページにまとまっています。基本方針と分野別運用方針の全文に加え、概要資料も掲載されているため、分野別の上限数を手早く確認したいときはここが便利です。

建設分野なら国土交通省の申請手引きやJACのサイト、介護分野なら厚生労働省の運用要領も確認しておくと、企業ごとの人数制限の細かなルール(常勤職員の数え方など)まで把握できます。

特に更新を怠ると危ない三つの数字

特定技能の数字で、特に更新を怠ると危ないのは三つあります。

一つ目は在留外国人数。出入国在留管理庁が半年ごと(6月末と12月末)に速報値を公表しているので、最低でも年2回は最新データを確認してください。二つ目は分野別の受入れ見込数。

現行の82万人は2024〜2028年度の5年間の設定ですが、設定期間の途中であっても閣議決定で運用方針が変更されることがあります。実際に2025年3月にも介護分野での訪問系サービス解禁などが閣議決定されました。三つ目は分野や業務区分の追加・変更。2024年の4分野追加に続き、既存分野でも業務区分の拡大や受入要件の変更が続いています。

こうした最新情報は出入国在留管理庁の特定技能制度ページで随時告知されます。この分野は変化のスピードが速いので、月1回程度はチェックする習慣をつけておくことをおすすめします。

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この記事を書いた人

環境課題とAIなどの先端技術に深い関心を寄せ、その視点から情報を発信する編集局です。持続可能な未来を構築するための解決策と、AIなどのテクノロジーがその未来にどのように貢献できるかについてこのメディアで発信していきます。これらのテーマは、複雑な問題に対する多角的な視点を提供し、現代社会の様々な課題に対する理解を深めることを可能にしています。皆様にとって、私の発信する情報が有益で新たな視点を提供するものとなれば幸いです。

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