今やSNSやネットサービスが普及したため買取業者を介さず個人間で乗用車やトラックの売買を行う人も増えてきました。ただ、売買の進め方の手順が分からない方も多くいます。
そこで、個人売買を進める上で参考にしていただきたい4つのポイントを詳しくご紹介していきます。
・トラックの個人売買のメリットとリスク
・個人売買でのトラック購入の注意点
・個人間でのトラック売買の手続き方法
・個人売買を安全に進めるための方法
他にも、名義変更や契約書の重要性などもご紹介していますので、ぜひご一読下さい。
トラックの個人売買のメリットとリスク
トラックの個人売買はいくつかのメリットもありますが、その分リスクもあります。どういったメリットとリスクがあるのかまとめてみました。十分リスクを理解した上で個人売買を進めていきましょう。
個人売買のメリットとは
個人売買のメリットは下記の通りです。
・仲介業者に支払う手数料が不要
・消費税が不要
・双方の納得した条件で売買を進められる
・中古車販売店よりも安く購入することができる
また中には、トラックに元々付けていた車載アクセサリーなどの『付属品』も一緒に譲ってくれる場合もあります。やはり金銭的な面でのメリットが多いですね。
個人売買に伴うリスクとは
売主にも買主にもリスクは伴ってしまいます。そのため、売主側と買主側に分けてご紹介していきます。
売主側のリスク
売り主側のリスクには下記のようなものがあります。
・引き渡し後の理不尽なクレーム
・ローンにした場合の残金未払い
これ以外にも、自分では気にならない些細な傷のため事前に告知しておらず、売買完了後に発覚した場合思わぬトラブルに発展しかねません。
こういった場合も個人売買では自分で対応しなければならず、自動車公正取引協議会などのサポートを受けることもできないため、どんな些細なことでも相手に伝えたほうが印象も良くなります。
買主側のリスク
買主側のリスクは下記のようなものがあります。
・購入後に事前に知らされていなかった故障や傷が発覚する
・売主によっては購入後のアフターフォローが期待できない
・必要書類の不備
・返品不可
実際にトラックを見る前に売買を進めてしまうと、実際に現車を目の前にしたとき思っていたトラックの状態ではなかった場合もあります。売主が『返品不可』を掲げていた場合、キャンセルや返品をしたくても受理されない恐れもあるため注意が必要です。
個人売買でのトラック購入の注意点
個人売買は、インターネットやSNSなどの相手が見えないツールを使用して売買を進めるケースが多いです。そのため、自分に不利益となる情報を伝えない悪質な売主も多くいます。その結果、表面上の情報だけを鵜呑みにして契約を交わしてしまうと、後々トラブルに発展しかねません。
個人売買では、圧倒的に買主側が注意しなければならないポイントも多く、契約書を交わす前に注意しなければならないポイントを自分で見極めなければなりません。
そこでここでは、個人売買でトラックを購入する際の注意点を紹介していきます。
トラックの状態を確認する
まず、以下の点について確認をしましょう。
・内装や外装の状態
・修復履歴はどの程度なのか
・足回りの錆や腐食など
・メンテナンスの履歴
・消耗品の状態
これらをしっかりと確認しないと、後々トラブルが起こりかねません。
お互いに気持ちよく売買できるように、しっかりと確認しましょう。また、車検がどれくらい残っているかも確認しておくと良いでしょう。
必要書類の確認とトラブルへの対策
トラブルを回避するためには必要書類の理解も大切です。
まずは必要書類を売主と買主に分けてご紹介します。
売主の方が必要な書類が多いため、事前に用意しておくと良いでしょう。
売主に必要な書類
・自動車検査証
・自賠責保険証明書
・自動車納税証明書
・印鑑登録証明書
・自動車リサイクル券
ここで1つ注意点があります。自動車リサイクル券は紛失してしまった場合、原則再発行ができません。
しかし、公益財団法人自動車リサイクル促進センターシステムホームページで発行できる「自動車リサイクル料金の預託状況」が自動車リサイクル券の代わりになります。
買主に必要な書類
・自動車保管場所証明書
・印鑑登録証明書
メーター戻しトラブルにも注意
買主側によくあるトラブルの1つが、トラックの価値を上げるためにメーターの改ざんを行う『メーター戻し』です。
こういったトラブルを避けるために『点検整備記録簿』を、しっかりとチェックを行い、最新の点検整備記録と現在の走行距離を比べてみて、明らかに距離の差がおかしければ走行メーターを改ざんしている可能性が高いため、注意してください。
また、車を引き渡した後の代金未入金や頭金のみ支払い、その後の残価は未入金のままなど、金銭トラブルも多くあります。
こういった場合は、個人で解決することは安易ではないため、弁護士や司法書士に頼む必要がでてきます。
こういったトラブル対策も考えた上で、購入を考えましょう。
個人間でのトラック売買の手続き方法
ここまでリスクや注意するべきポイントを紹介してきました。ここからは売買手続きの全体の流れや名義変更と契約書の重要性をそれぞれ説明します。
ぜひ、手続きを進める際は参考にしてみてください。
売買手続きの全体フロー
手続きの流れ自体は難しくありません。余裕をもって進めていきましょう。
1.名義変更の手続き
トラックの所有者が変わるため、名義変更をしなければ乗れません。
名義変更の手続き義務は原則買主側にあるため、買主側が行ったほうがスムーズに進みます。ですが、売主側でも新所有者の委任状があれば手続きをすることが可能です。
2.自賠責保険の名義変更
自賠責保険は車を公道で走らせるために強制的に加入しなければならない保険です。もし未加入の場合は罰せられてしまいます。
自賠責保険の保険契約者と車の所有者は同じため、名義変更が必要です。
名義変更をする際は、買主側が保険会社に出向かなければなりません。
3.車庫証明の取得
車を保管する場所を事前に居住地域管轄の警察署に届け出をしなければなりません。
申請してから3〜5日程度、手続きに時間を要するため早めに行っておきましょう。
4.契約書を交わし車の引き渡し
契約書はどちらが用意しても構いませんが、基本的には売主が用意することが多いです。
お互いが納得した条件を記載した契約書を用意しましょう。
また、車の引き渡しも近くの場合は引き取りが簡単ですが、遠方の場合は
・引き渡しはどうするか
・費用はどうするのか
なども話し合っておくと良いでしょう。
名義変更と契約書の重要性
名義変更は車の所有者が変わるのであれば手続きが必要です。名義変更せず車に乗っている場合は、法律違反とみなされ50万円以下の罰金を支払わされます。
また、自動車税の通知が名義人にいってしまい迷惑を掛けますし、期日以内に自動車税を収めなければ車検を受けることができません。他にも、任意保険の加入が難しいなど、極めて名義変更の重要性は高いです。
個人売買では契約書を交わさず口約束で売買を進めてしまう場合も多くあります。
実際に必ず契約書を取り交わさなければいけないわけではありません。
ですが、契約書を事前に交わすことで
・車の不具合
・代金未入金
などのトラブルを回避しやすいです。
もし万が一トラブルに発展したとしても契約書を交わしていれば問題解決までの時間も早く済みます。
個人売買を安全に進めるためには
個人売買を安全に進めるにはどういった方法が必要なのかご紹介していきます。
トラブルを避けるためのポイント
やはり1番は『顔見知りから購入する』です。顔見知りだとトラブルに発展する確率も低いですよね。
あとは、ネットオークションの場合出品者の評価を見ることができる場合があります。評価が悪い場合は避けたほうが良い出品者でしょう。
気持ちよく取引を進めたい気持ちが強い方は、連絡がマメだったり聞かれたことに関してはしっかり受け答えしてくれます。
反対に連絡がいつまでも返ってこなかったり、受け答えが雑な場合はトラブルに発展しやすい出品者の可能性が高いです。
買取店を利用する
ここまで個人売買についてご紹介してきましたが、信頼性の高い買取店を利用したほうがトラブルに発展するリスクも低いですし、購入後のアフターフォローもしっかり行ってくれます。
手続きも自分で行わなくても良く、時間を犠牲にする必要もありません。
多少、車体価格が高いかもしれませんが、その分得るメリットは多いように思います。
トラックを購入は高い買い物になるため、少しでも自分が安心して購入できる方法を選んでみてください。