トラック購入時の見落としポイントを事前に知ろう

私たちの生活に欠かせないさまざまな荷物を輸送できるトラックですが、購入時に見落としがちなポイントがいくつかあります。荷台の形状やランニングコスト、中古車保証などを解説します。

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適切なトラック形状を選ぶ

トラックにはさまざまな形状があるため、使用する目的に合った形状を選ぶことが大切です。運ぶ荷物の種類や荷物の大きさ、荷物の量によって適切なトラックの形状は異なります。

目的に合った形状を選ぶ

トラックには小型、中型、大型といった大きさがあります。
車両総重量5トン以内、最大積載量3トン以内の小型トラックは、小さい車体を活かした小回りを得意とし、荷台を箱型の荷室にしたものは近距離から中距離の住宅街の配送業務に多く使われています。また平ボディタイプやダンプタイプなど、多くのバリエーションがあります。

車両総重量11トン未満、最大積載量6.5未満の中型トラックは、中距離から長距離の輸送に多く使用されています。小型トラックに比べ大きく、大型トラックよりも小さい車体で引っ越しやコンビニエンスストアへの配送業務など、オールマイティに活躍できるトラックです。
車両総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上の大型トラックは、中型トラックよりも大きな車体で小回りがきかないため住宅地の配送などには向きませんが、一度に多くの荷物を輸送できるため長距離の輸送や大きな荷物の輸送に活躍します。

トラック形状の特徴とメリット・デメリット

トラックは多種多様な荷物の輸送に対応するために、さまざまな荷台形状があります。とくに多く使用されている特徴的な荷台形状について解説します。

平ボディ

平ボディは平坦な荷台をアオリと呼ばれる縁のようなもので囲ったタイプです。数あるトラックの荷台のなかでも最もシンプルな構造で荷物の積み下ろしがしやすいメリットがありますが、屋根がなく雨や悪天候に弱いため運べる荷物が限られるデメリットがあります。荷台の高さを低く造られている低床タイプもあります。

アルミバン

アルミバンは荷台を箱型のアルミパネルで覆ったタイプです。天井までアルミパネルで覆われていて、荷物の積み下ろしは荷台後部の扉を開けて行います。悪天候にも強く、引っ越しや水濡れ厳禁の荷物も運ぶことができるメリットがありますが、アルミバンの大きさを超える長い荷物などは運べないデメリットがあります。また荷台には荷物や台車などを固定するラッシングレールを備えたものもあります。

アルミウイング

アルミウイングは鳥の羽のように荷台天井部分が開くアルミパネルを備えたタイプです。ウイング車や側面開閉車などと呼ばれ、荷台側面がすべて開くため荷物の積み下ろしがしやすく、屋根のような役割をすることで悪天候時の荷物の積み下ろしに役立つメリットがあります。トラック側面にスペースがない場合は積み下ろしがしにくいデメリットがあります。多くの荷物を長距離輸送する業務に多く使われています。

冷蔵冷凍

冷蔵冷凍車はその名の通り冷蔵冷凍機能を備えた荷室を備えたタイプです。側面に積み下ろしの扉を設けたものも多く、荷台の温度を保ちながら比較的狭い道でも冷蔵冷凍品の積み下ろしができるメリットがあります。デメリットは冷蔵冷凍ユニットが故障した場合、修理に日数がかかる場合がある点です。

トレーラーヘッド

トレーラーヘッドはトレーラーと呼ばれる自走できない荷台をけん引して運搬するタイプです。トレーラーにはさまざまなタイプがあり、重機を載せて運搬するものやコンテナを運搬するもの、車両を運搬するものなどがあります。トレーラーヘッド単体では荷物を運べないデメリットがありますが、重量物を運搬できるメリットがあります。トレーラーを引っ張る頭であることからトレーラーヘッドと呼ばれています。

性能と燃費の確認

トラックを購入するうえで燃費性能やランニングコストも考えておきたいポイントの一つです。

トラックの積載量と牽引能力

トラックの最大積載量は、車両総重量から車両重量と最大定員×55kgを引いて計算されます。
車両重量はトラックをすぐにでも使うことができる状態で、乗員以外の重量である燃料やオイルなどを加えた重量です。

車両総重量は、トラックの車両重量に乗車できる最大定員の重量と最大積載量の荷物の重さを加えた重さです。
また、最大積載量は最遠軸距と呼ばれるトラックの最前部の車軸から最後部の車軸の中心までの距離によっても決まりがあり、基本的にはこの最遠軸距が長いほど最大積載量は多くなります。トレーラーヘッドの場合は、車検証に「最大積載量〇〇kg[〇〇kg]」のように記載されています。最初の〇〇kgは牽引できる最大重量で、カッコ内の〇〇kgはトレーラーヘッドとトレーラーを連結する部分にかかる重量を表しています。

燃費性能とランニングコストの重要性

トラックの燃費性能はトラックの大きさによって異なります。
国土交通省の調べでは、最大積載量3トン未満の小型トラックでは10~12km/L、最大積載量3トン~6.5トン未満の中型トラックでは7~9km/L、最大積載量6.5トン以上の大型トラックでは3.5~4.5km/Lとなっており、トラックの大きさに伴い燃費性能が低下していることがわかります。

また、トラックのランニングコストには燃料費以外にも自動車税や車検時にかかる自動車重量税などの税金類、自賠責保険や任意保険などの保険料があります。例えば、自動車税であれば最大積載量3トン以下で12,000円、6トン以下で22,000円、8トン超えでは29,500円に1トン増えるごとに4,700円加算されます。

メンテナンスと修理のコスト

古い年式のトラックや走行距離の多いトラックは、メンテナンスや修理に多くのコストがかかる場合があります。

維持・修理費用の視点で考えるトラックの選び方

トラックの維持費や修理費は基本的に車体のサイズが大きくなるほど高額になる傾向にあります。タイヤやエンジンオイルなどの消耗品は、車体の大きさによってそれに似合うサイズや量を使う必要があるためです。
また修理にかかる部品代や整備費も乗用車にくらべコストがかかります。重い荷物を運ぶトラックは車体にかかる負荷もそのぶん大きく、高い耐久性が必要です。車体が大きくなれば部品も大きく強くしなければならないため、部品のコストが上がります。大きく重い部品を交換するには専用の工具や治具を用いることも多いためそのぶん整備費も上がります。

トラックを選ぶ際には、このような維持費・修理費を抑えるために運搬する荷物の大きさに似合ったサイズの車体選びが大切です。「大きいに越したことはない」と通常業務に必要のない大きなサイズのトラックを撰んでしまうと不要な維持費・修理費を支払うことになってしまいます。
古いトラックを選ぶ際の課題は、メンテナンスコストをふまえた車両価格であるかどうかが大切です。安からといった理由だけで状態の悪いトラックを選んでしまうとメンテナンス費がかさみ、トータルコストでは損をしてしまう可能性があります。

部品の入手難易度や修理に必要な要素

トラックを修理や点検・車検に出した際、交換や修理が必要な箇所や部品によって修理にかかる時間は異なります。
修理は大きく分けるとトラックのシャシー部分と荷台の架装部分に分けられます。
シャシー部分の消耗部品はトラックメーカーに在庫している場合が多く比較的短期間で修理ができますが、荷台部分の架装(アオリや扉、電動ゲートなど)の修理は比較的時間がかかる傾向にあります。

また年式の古いトラックを使用している場合も部品在庫が少なくなっているケースが多く、修理に時間がかかることもあります。点検や車検では道路を走行するうえで危険がないか、適合しなければならない項目がいくつかあります。たとえばタイヤの残り溝は1.6mm以上と決められた数値があり、「まだ使えるから」と残り溝の少なくなったタイヤでは車検に適合することはできません。

購入価格とその他の要素

中古トラックの車体価格は販売店によってさまざまです。また中古車保証も販売店によって異なるため注意しましょう。

販売店ごとの価格の違い

トラックを購入する際に悩ましいが購入する販売店選びです。
新車トラックであればトラックメーカーのディーラーから購入するのが一般的ですが、中古トラックの場合は多くの販売店があります。
トラックメーカーのディーラーでも自社のトラックを中心に、中古トラックを取り扱っていることもありますが価格は割高で、トラック専門店と比べて50~100万円ほど価格差がある印象です。
トラック専門店はさまざまな種類のトラックを扱っており、トラックに関する知識や経験が豊富です。またホームページに車両価格を掲載している販売店もあるので、購入を検討している場合はチェックしてみるのもよいでしょう。

サービスや保証内容の違い

トラックを購入する際に注意しておきたいのが、受けられるサービスや保証内容の違いです。トラックを新車で購入した際、「メーカー保証」と呼ばれる保証期間が設けられています。
消耗品類などを保証する一般保証は3年又は6万km、エンジンやトランスミッションを保証する特別保証は5年又は10万kmの期間で設けられています。
中古で購入したトラックに不具合が出た場合、このメーカー保証期間を過ぎているようであれば、それぞれの販売店独自の中古車保証で修理することになります。
メーカーディーラーの販売店保証はメーカーによって異なりますが、1年間距離無制限でついていることが多く消耗品以外の全般を保証します。

トラック専門店の販売店保証は有償の保証プランを用意している場合が多く、事業用であれば3か月(自家用12か月)又は5,000kmの早い方、保証限度額50万円まで、エンジン・ミッション・エアコン・燃料装置・DPF(洗浄のみ)を保証、といった短期間の保証が多い印象です。

販売店によって保証期間や保証内容は異なるため確認が必要ですが、このようなことから保証を手厚くしたい場合はメーカーディーラーから、購入コストを抑えたい場合はトラック専門店などから検討するとよいでしょう。

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この記事を書いた人

環境課題とAIなどの先端技術に深い関心を寄せ、その視点から情報を発信する編集局です。持続可能な未来を構築するための解決策と、AIなどのテクノロジーがその未来にどのように貢献できるかについてこのメディアで発信していきます。これらのテーマは、複雑な問題に対する多角的な視点を提供し、現代社会の様々な課題に対する理解を深めることを可能にしています。皆様にとって、私の発信する情報が有益で新たな視点を提供するものとなれば幸いです。

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