トラックのバックカメラ義務化!バックカメラの選び方&取付方法

トラックのバックカメラ装着の義務化に関して、義務化の開始時期や対象車両、バックカメラの装着方法や推奨されるタイプなどについて記述します。

目次

トラックのバックカメラ義務化の背景と目的

バックカメラ義務化の背景、安全向上の目的とその効果について解説します。

義務化の背景

我が国は、1991(平成3)年度からASV(Advanced Safety Vehicle=先進安全自動車)推進計画をスタートさせ、その一環としてバックカメラの普及を促進してきました。国交省が2018年12月に行った「ASV技術普及状況調査」によると、バックカメラの普及率は乗用車で43.1%、大型車だと7.5%となっており、さらなる普及率アップを図ってきました。また、自動車の安全基準等について、国際的な整合を図りつつ、順次、拡充・強化を進めてきました。

2020(令和2)年11月に開かれた国際連合欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラム(WP29)において、「後退時車両直後確認装置に係る協定規則(第158号)」が新たに採択されたこと等を踏まえ、我が国においてもこれらの規則を導入し、反映させるため、道路運送車両の保安基準等の改正等が行われました。

この道路運送車両の保安基準等の改正等によりバックカメラが義務化されることになります。
バックカメラの義務化は、自動車の安全基準等の国際的な整合性を図っての拡充・強化の流れの一環でなされるものです。

義務化の目的

バックカメラの義務化の目的は、車両後退時において事故を防止するためです。
道路運送車両の保安基準等の改正により、「車両直後を確認できる装置の要件に適合する後退時車両直後確認装置(バックカメラ、検知システム又はミラー)を、自動車に備えなければならないこととする」とされました。

義務化の対象と時期

バックカメラ義務化の対象となる車両の種類、義務化が開始される時期と対象となる車両について、詳細を説明します。

対象車両

道路運送車両の保安基準等の改正により「自動車(二輪自動車等を除く)には、運転席において運転者が自動車の直後の状況を確認できる後退時車両確認装置を備えなければならない。」とされました。
ここで言う自動車とは、二輪自動車、三輪自動車、大型特殊自動車、小型特殊自動車など、後退時車両確認装置を備えることが困難である一部の車両は除かれます。

義務化のスケジュール

道路運送車両の保安基準等改正の公布及び施行は、令和3年6月9日に行われており、新型車については2022年(令和4年)5月以降に販売されるもの、継続生産車(既存モデルの新車)については2024年5月以降に販売されるものに適用されます。
なお、バックカメラ義務化は車両を生産しているメーカーに対するものであり、車両を所持している個人を対象にしたものではありません。従って、現在所有している車両に、バックカメラなどの後退時車両確認装置が搭載されていなくても車両を運転することはできます。

バックカメラの選び方

バックカメラの種類と特徴、おすすめの製品と取付方法について解説します。

バックカメラの種類

基準等の改正により、新型車については2022年(令和4年)5月以降に販売されるもの、継続生産車(既存モデルの新車)については2024年5月以降に販売されるものには、法令に則った後退時車両直後確認装置が標準装備されることになります。
後退時車両直後確認装置の法令要件は、①車両直後のエリア内の障害物を確認できること、②確認手段はカメラ、検知システム又はミラーによること、されています。

バックカメラには有線タイプのものと無線タイプのものがあります。有線タイプは従来からあるもので、車の後方にカメラを取り付け、有線で画像をモニターへ表示させます。
無線のものより電波障害などのトラブルが無く、安定して画像を確認できる点がメリットですが、配線が面倒でやり方によっては車内で引っ掛けてしまう可能性もあります。

一方、無線タイプはWi-Fiでバックカメラの映像をモニターに送るものです。近年増えている画期的な商品で、配線の面倒やひっかけるリスクはなく簡単に設置できますが、通信が不安定になる場合もありその場合には画像映りが悪くなります。

おすすめのバックカメラ

バックカメラを選ぶ際には、着目すべき点がいくつかあります。ひとつは、レンズタイプで、目視に近い映像になる「標準タイプ」と広範囲を映し出す「広角タイプ」があります。「標準タイプ」は後続車や障害物との距離感を測る点で優れており、「広角タイプ」は幅広い視野の確保が強みです。

もうひとつは、画素数で、これが大きいほど鮮明に映すことができ、また、夜間の映像もわかりやすいです。夜間走行時でも見られるようにするのであれば、30万画素程度は必要と考えておくとよいです。

なお、夜間の映像をわかりやすくするには、画素数を上げるほかにも、赤外線を搭載し日中と夜間で切り替えて使用するものがありますし、さらには、周囲の明るさに対応してLEDが灯るタイプのものもあります。
たとえば、株式会社デンソーソリューションのバックカメラシステム「GANRIKI」の最新モデルは広角タイプとなっており、自社のノーマルモデルに比べると水平方向に46パーセント、垂直方向に38パーセント広い範囲を映すことができます。
一方、最新モデルと従来モデルどちらに赤外線LEDが搭載されていますので、画素数は123万画素で変わっていません。

バックカメラの取付方法​

バックカメラの取付方法と注意点、また取付時におすすめのツールやコツについて解説します。​

取付方法の解説

手順① カメラ本体の取り付け位置を決めます。
カメラ本体は車の後部に取り付けますが、まずは取り付け位置を確認します。車内と車外のどちらに取り付けるのか、車外であればリアスポイラーの下に付けるのか、ナンバープレートの上部に付けるのかといったことを検討し、仮合わせをします。
この段階では、後で角度調整をすることができるよう仮止めにしておきます。

手順② バックカメラ本体の配線を室内に引き込みます。
バックカメラ本体を車内に取り付けた場合には必要ありませんが、車外に取り付けた場合には配線を室内に引き込む必要があります。バックドアの内張りを外したり、テールランプを外したりすると、配線を室内へ通す穴があるので、その穴を使って配線を室内へ引き込みます。

手順③ 車内に引き込んだ配線を車の前側まで通します。
配線を車内に引き込んだら、車の前側まで通していきます。助手席側の前後のドアを開け、ウェザーストリップの上側を外し、すき間に配線を押し込んでいき配線を隠します。フロントピラーまで通したら、今度はダッシュパネルのすき間に配線を通し、グローブボックスの裏からカーナビまで配線をもってきます。

手順④ バックカメラの配線を電源に接続しアースを取ります。
バックカメラの配線に電源とアースを取る線が付いているので、電源線は電源が供給される配線にエレクトロタップを使って接続し、アースは車の金属部分にネジを使って固定します。

手順⑤ カメラ映像の出力端子をカーナビに接続し、映像が映るか確認します。
バックカメラの映像出力端子を、カーナビの入力端子に接続し、カーナビにバックカメラの映像が映るか確認します。

手順⑥ カメラの角度を調整します。
カーナビの映像を見ながらカメラを調整し、適当なところでカメラを固定します。

取付時の注意点

バックカメラを取り付ける時に注意が必要なのは、車検です。道路運送車両の保安基準の外装の技術基準によると、「自動車と人との接触の際に人が負傷する危険性を減らすため、自動車の外装表面には曲率半径が2.5mm未満である突起を有してはならない。」と定められています。
これに違反すると車検に通らず公道を走行することはできませんので、バックカメラを車外に取り付ける際には注意が必要です。

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この記事を書いた人

環境課題とAIなどの先端技術に深い関心を寄せ、その視点から情報を発信する編集局です。持続可能な未来を構築するための解決策と、AIなどのテクノロジーがその未来にどのように貢献できるかについてこのメディアで発信していきます。これらのテーマは、複雑な問題に対する多角的な視点を提供し、現代社会の様々な課題に対する理解を深めることを可能にしています。皆様にとって、私の発信する情報が有益で新たな視点を提供するものとなれば幸いです。

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