人工知能の作り方を初心者でもわかるように解説

近年、AIや人工知能といった言葉を聞くようになりました。しかし、名称が知られている一方で種類や具体的な学習方法はあまり知られていません。
ここでは、これらについてご紹介していますので、ぜひご確認ください。

目次

AIとは?知ることから始めよう

そもそも、AIとはどのようなものを指すのでしょうか。AIはさまざまなものに利用されているため、もしかすると内容が曖昧になっているかもしれません。ここでAIについて詳しく確認していきましょう。

人工知能とは何か?

人工知能(AI:Artificial Intelligence)とは、コンピューターシステムが人間の知的な能力を模倣する技術です。人間的な知能を実現するため、機械学習、自然言語処理、パターン認識など非常に多くの分野が組み合わさっています。
そして、現在では人工知能はさまざまな分野で利用されているものです。
例えば、医療分野ではAIを使用した診断・治療をおこなうシステムが開発されています。また、交通・物流分野では、AIを活用して効率的なルートや配送計画を立てるシステムも利用されています。

このように非常に多くの分野へ利用されている人工知能ですが、それは日常生活でも別ではありません。今後は人工知能を搭載した家電、人工知能による生活補助、など日常生活にも人工知能が急激に広まることが予想されます。

AIの歴史と基本概念

AIの起源はイギリスの数学者が1950年に出版した『計算する機械と人間』が起源とされています。しかし、この段階では「機械は考えることができるか?」といった疑問でした。
その後、コンピュータの開発と共に人工知能に関する研究も進み、1956年に開催されたダートマス会議で初めて人工知能といった名前が付けられました。

その後、1960年代の第1次ブーム、1980年代の第2次ブーム、2006年から現在の第3次AIブームと各時代に急激な技術発展がなされています。
とくに、現在はAIブームの真っ最中であり、日々新しい技術や結果の報告がなされていることを認識しておきましょう。

近年のAIの基本的な概念は、機械学習、深層学習、自然言語処理などがあります。機械学習はコンピュータにデータを与えると自動的に学習を開始するシステムを指し、深層学習は人間の脳を模した多層のニューラルネットワークを使用して高度な認識タスクを実行する能力を指します。自然言語処理は人間の言語をコンピュータが理解し、処理するための技術です。つまり、人間と同じような回路で考えるシステムの搭載が基本的な概念となっています。

AIの種類と学習方法

一口にAIといってもAIには複数の種類があります。とくに、機能による分類である強いAIと弱いAIについては知っておいた方が良いです。また、学習方法による分類もAIについて理解するために重要です。ここで、これらについて確認し、AIについての理解を深めていきましょう。

強いAIと弱いAI

まず、強いAIとは人間のような自意識を備えており、すべてのタスクに対応することができるAIを指します。また、強いAIは汎用型AIとも呼ばれることもあります。このように強いAIは完璧なものを想定しており、アニメや漫画に出てくるようなものを考えると分かりやすいでしょう。

一方で弱いAIは特定のタスクに対応できるAIを指します。また、弱いAIは特化型AIと呼ばれることがあります。弱いAIはタスクが限定されているため、想定外の状況への対応ができません。現在あるAIはすべて弱いAIとなっています。
AIと聞くと万能なものを思い浮かべてしまうことが多いですが、現実的には弱いAIしか開発できていないことを認識しておきましょう。

教師あり学習、教師なし学習、強化学習

では、学習方法による分類を確認してみましょう。代表的な学習方法には教師あり学習、教師なし学習、強化学習の3つがあります。

教師あり学習はあらかじめ正解となるデータを用いてAIに正解を教える方法です。
例えば、猫の画像を判定したい場合、あらかじめ大量の猫の画像をAIに学習させます。そして、猫の画像の共通点を学習した後は、犬と猫の画像を与えると猫かそうでないかを判断していきます。教師あり学習は今回の例のように分類や予測などのタスクに適している学習方法です。

教師なし学習は正解データなしにAIがデータを解析し自らパターンを見つける方法です。つまり、教師蟻学習の正解データをAIが作っていくのです。例として、大量の文章データを与えることで自動的にテーマや傾向を抽出するシステムなどがあります。教師なし学習は情報のクラスタリングや異常検知などに用いられることが多いです。

強化学習はAIが環境との相互作用を通じて自己学習を進める学習方法です。
AIは学習の過程で報酬を最大化するために試行錯誤を繰り返しながら学習します。そして、より報酬が高く得られる動きがあればそれをおこなうようになるのです。
例えば、ゲームのAIはプレイヤーとの対戦を通じて最適なアクションを学び、それを実行していきます。強化学習は、ゲームやロボットの制御などに用いられている事例が多いです。

AIの開発手順を理解しよう

AIと聞くと難しく理解できないような仕組みによって開発が進められていると思われますが、実は開発手順自体はシンプルです。以下で具体的な手順を理解していき、各ステップで必要となる知識やスキルを確認していきましょう。

まず、学習方法でご紹介したとおり、AIは学習するデータがなければなりません。そのため、AI開発手順の一番初めにはデータ収集が必須です。また、ただ大量のデータを集めれば良いのではなく、品質が高いものを集めなければなりません。

データ収集の次にはデータの前処理をおこないます。前処理とはAIが処理しやすくなるようにデータを整える作業です。
学習させるデータが揃ったのちには実際にモデルの設計をおこないます。この際、さまざまなアルゴリズムを試し、もっとも精度が高いものを選定することが多いです。そして、その後には実際にトレーニングをおこない、学習を進めていきます。

トレーニングによって十分な成果が得られたのちにはデプロイをします。デプロイとは本稼働環境へ統合するための作業を指す言葉です。つまり、実際に使える状態にします。デプロイすれば終わりではなく、デプロイ後もモデルが適切に稼働しているのかを確認しなければなりません。

初心者向けのAI開発ツールと学習リソース

初心者向けのAI開発ツールとしておすすめなのはTensorFlow、Microsoft Azureがあります。

まず、TensorFlowはGoogleが開発したツールです。
TensorFlowにはチュートリアルが豊富であるため、AI開発が初めてでも比較的スムーズに開始することができます。AI開発の手順などに慣れていき、その後に実際のものを作成していきましょう。

2つ目のMicrosoft Azureはマイクロソフトが開発したツールです。
機械学習や深層学習を導入するためのツールやライブラリが豊富に用意されており、自分で1から構築せずに実装することができます。インターフェースも視覚的にわかりやすいと言われているため、使用感が自分に合っているのかをご確認ください。

しかし、上記ツールを効果的に利用するためにはそもそもAIに対して知見を持っていなければなりません。そのため、実際に開発していく前には学習が必要です。そして、学習ツールとしておすすめのサービスにCourseraがあります。

Courseraはスタンフォード大学の教授が創設した営利団体が開発したツールです。Courseraはオンライン教育サービスであり、実装するまでに必要な知識を1つ1つ身に着けることができます。自分で1から開発をしていくことは中々難しいです。そのため、まずはCourseraで基本的な知識を習得していきましょう。

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この記事を書いた人

環境課題とAIなどの先端技術に深い関心を寄せ、その視点から情報を発信する編集局です。持続可能な未来を構築するための解決策と、AIなどのテクノロジーがその未来にどのように貢献できるかについてこのメディアで発信していきます。これらのテーマは、複雑な問題に対する多角的な視点を提供し、現代社会の様々な課題に対する理解を深めることを可能にしています。皆様にとって、私の発信する情報が有益で新たな視点を提供するものとなれば幸いです。

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