脱炭素とは?地球を救う新たなる挑戦

脱炭素ということばを聞いいたことがありますか?
ことばを聞いたことはあるけど、その意味や詳細を理解しているひとは少ないかもしれません。
この記事では、脱炭素の基本的な概念、その意味、および脱炭素社会の具体的な取り組みや目指すべき目標について紹介していきます。

目次
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脱炭素についての理解

地球温暖化の問題や昨今のエネルギー問題により、脱炭素を含む環境問題に対する意識が年々高くなってきています。ここではまず、脱炭素の基本理解として、その意味や取り組みの必要性を解説していきます。

脱炭素とは何か

脱炭素とは、温室効果ガスの排出量を削減し、実質ゼロを目指すことです。
温室効果ガスとは主に、以下の気体です。
・二酸化炭素(CO2)
・メタン(CH4)
・亜酸化窒素(N2O)
・フロン類
これらの気体が大気中に存在することで、地球温暖化の原因になります。
・二酸化炭素(CO2):石油、石炭、天然ガスなど化石燃料の使用によって、排出される。
・メタン(CH4):稲作や、牛のゲップなど畜産において排出される。
・亜酸化窒素(N2O):オゾン層を破壊する気体であり、主に農業において排出される。
・フロン類:冷蔵庫やエアコンなどの利用を通して、排出される。

温室効果ガスは、このように、人間の日々の生活や産業活動を通して排出されます。大気中に排出されたガスは、その濃度が高まり、やがて地球温暖化を加速させていきます。

脱炭素社会への取り組みの必要性

脱炭素社会への取り組みの必要性として、「地球温暖化の防止」と「エネルギー資源の枯渇対策」があります。
地球温暖化が進むと、以下のような影響が現れます。
・氷河崩壊による海水面の上昇
・農作物の収穫量への影響
・氷河の崩壊による海水面の上昇:低地が水没する。小さな島が海に沈む。など、
人間が住む安全な場所がなくなるリスクがあります。
・農作物の収穫量への影響:暑さに弱い作物は、その収穫量が減り、地域によっては、
稲の生育が悪くなり、米の収穫量に影響が出るリスクもあります。

これらは、人間や生態系にとって大きな脅威となるため、脱炭素を通した取り組みが必須となってきます。

エネルギー資源の枯渇対策とは、例えば、再生可能エネルギーの利用です。石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料は、有限であり、また温暖化に大きな影響を与えます。そのため、これらに代わるエネルギーの利用検討が世界中で進んでいます。
再生可能エネルギーとは、主に以下のエネルギーです。
・太陽光エネルギー
・風力エネルギー
・水力エネルギー
いずれも、自然界にあるものがエネルギー源になっているため、枯渇することがなく、将来の持続可能なエネルギーとして注目されています。

国際的な脱炭素への取り組み

国際的な脱炭素への取り組みの前段階として、1997年に国際連合気候変動枠組条約(UNFCCC)の下で「京都議定書」が採択されました。先進国である加盟国が、2008年~2012年までに温室効果ガスを約5%削減することを義務付け、取り組みました。
なおこの当時は、二酸化炭素の排出量を低く抑えるという意味で、「脱炭素」ではなく、
「低炭素」ということばが使われました。京都議定書により、国際的な温室効果ガスの削減がおこなわれましたが、一方で課題も残りました。削減目標を達成できなかった国がでたことや、アメリカが参加しなかったことです。発展途上国は参加の義務がなかったため、先進国であるアメリカがこれに不満をもったのです。当時、温室効果ガスの排出量が最も大きかったアメリカが参加しなかったことは、課題となり、後のパリ協定へと繋がりました。

パリ協定とSDGs

京都議定書の流れをうけ、2015年に国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)の下で「パリ協定」が採択されました。パリ協定は先進国だけではなく、発展途上国含めたすべての国が取り組みに参加できます。パリ協定では、「世界の平均気温上昇を産業革命以前と比べて2度より低く保ち、1.5度以内に抑える努力をする」という目標をたて、各国が取り組んでいます。2020年以降の気候変動問題に関する枠組みであり、すべての参加国は目標の策定・提出が義務づけられています。
国際的な脱炭素への取り組みとして、SDGsも挙げられます。
SDGsとは、(Sustainable Development Goals)の略であり、持続可能な開発目標のことです。2015年9月の国連サミットで採択され、2030年までに達成することを目指しています。持続可能とは、継続されることです。将来にわたり社会がより良い状態としてあるために、様々な問題を解決していくイメージです。SDGsは17の具体的な目標から構成されますが、その中で、脱炭素の観点から2つを解説します。

目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに
世界ではまだ、電気を使うことができない場所もあります。エネルギーの安定供給を通して、豊かな暮らしを実現することを目標にしています。クリーンなエネルギーとは、再生可能エネルギーのことであり、先に述べた、脱炭素社会への取り組みのひとつです。

目標13:気候変動に具体的な対策を
地球温暖化に代表される気候変動問題に対する課題です。目標7と共通する部分もあり、
先に述べたパリ協定など、国際的に取り組んでいます。

2050年カーボンニュートラル宣言

国際的な脱炭素の取り組みが進む中、日本政府は、2020年10月にカーボンニュートラル宣言をしました。カーボンニュートラル宣言とは、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすることです。実質ゼロとは、二酸化炭素の排出量を完全にゼロにすることはできないため、その排出量と、吸収量でプラスマイナスゼロにするということです。植物、森林において、緑を増やし、二酸化炭素の吸収を促進します。先に述べたパリ協定に基づき、他の国共々、2050年までに脱炭素社会(カーボンニュートラル)の実現を目指しています。

具体的な脱炭素社会への取り組み

具体的な脱炭素社会への取り組みとして、日本での様々な事例を解説していきます。

再生可能エネルギーの活用

太陽光発電の事例は数多くありますが、千葉県匝瑳市で取り組んでいる複合的な取り組みを紹介します。
この取り組みは、太陽光発電による、再生可能エネルギーと農業を組み合わせたものです。
太陽光パネルの下で耕作を行う環境配慮型の技術であり、畑の上に太陽光パネルを設置し、農業と発電を同時に行っています。
ソーラーシェアリングによる、再生可能エネルギーの利用で二酸化炭素を削減し、同時に有機農業による環境改善効果として、二酸化炭素の吸収促進も実現しています。
このような取り組みは、まさにSDGsの事例といえます。
参考サイト https://sosa-ohisama-energy.jp/

電気自動車の普及とゼロカーボンシティ

脱炭素社会の取り組みの中で、自動車の「脱ガソリン」も広がりつつあります。その代替が電気自動車である、EV車です。
海外の大手自動車メーカーは、将来EV車が市場に台頭するであろうと見込み、現在熾烈な競争をおこなっています。一方、日本においてEV車は、まだそれほど普及していません。
充電インフラの不足問題や、EV車用の電池価格の高さなどが要因と言われています。
EV車への移行はあくまで、ひとつの例ですが、二酸化炭素の排出をほぼゼロにすることを目指した都市を「ゼロカーボンシティ」といいます。先に述べてきた、再生可能エネルギーの利用や、交通、建築など、都市の様々な面に、低炭素の取り組みを採用しています。
国が積極的にバックアップして補助金を助成していたり、これらの取り組みは、自治体や企業などへも広がる動きを見せています。

個々の行動で貢献する方法

脱炭素社会の実現は、大きな取り組みだけではなく、個人としての小さな取り組みの中でも貢献できます。

個人ができる脱炭素化の取り組み

外出する際に、飲み物を水筒に入れて持っていく。これだけでも、立派な脱炭素の取り組みと言えます。ペットボトルなどのプラスチック製品は燃やすと、二酸化炭素が排出されますし、ゴミとして海に流れ着いたものは、海洋汚染や生態系への悪影響が懸念されます。割り箸を使わずに、マイ箸を利用する。レジでいつも袋をもらうのではなくマイバッグを持ち歩く。電気をこまめに消す。日常生活の中でもできることは、意外と多いものです。

企業や自治体が推進できる取り組み

脱炭素を経営の指標として盛り込んでいる企業も増えています。企業が社会的役割を果たす中で、環境を無視した姿勢や、利益のみを追求するような姿勢は投資家に受け入れられません。また、昨今では企業のSDGsに対する取り組みが株価に大きく影響するまでになってきております。自社の商品や、サービスに脱炭素としての取り組みから付加価値をつけることは、ビジネスや経済の発展にも繋がりますし、SDGsへの貢献が、地球を救う新たな挑戦となることもあるでしょう。

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この記事を書いた人

環境課題とAIなどの先端技術に深い関心を寄せ、その視点から情報を発信する編集局です。持続可能な未来を構築するための解決策と、AIなどのテクノロジーがその未来にどのように貢献できるかについてこのメディアで発信していきます。これらのテーマは、複雑な問題に対する多角的な視点を提供し、現代社会の様々な課題に対する理解を深めることを可能にしています。皆様にとって、私の発信する情報が有益で新たな視点を提供するものとなれば幸いです。

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